カテゴリ:漫画を描くこと( 112 )

模写

実はワタシ、漫画の模写ってしたことないんです・・・
似顔絵もあまり描かなくて、今まで描いた似顔絵で記憶にあるのは
ドラえもん、Qちゃんとその仲間、パーマン、ウメ星殿下、ニャロメ、ケムンパス、ベシ、こまわりくん、東大通、カントク、うる寅満次。あと「リンかけ」の主人公くらい?・・・・だと思う。
だいたい人に「○○先生の絵に似てるね。」と言われるのがイヤだったから、尚更漫画のコピーに抵抗感があった。(それでも若いときは当時の流行の絵柄に影響されていた)

今でも自分のペンタッチが嫌い(どうしてこう頼りなくて汚いんだろうと)で、理想と思える漫画の模写を思い立ちました。

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ええと、理想と思える村野守美先生と、ついでに色々描いてますが、やっぱり村野先生のタッチが自分に一番しっくりきます。
で、今回模写をしてみて思ったのが、ただ絵を真似するだけでなく、ペンタッチまで模写してみると面白いことに気づきました。

ペンの強弱によって、その先生の力の入れ具合とシンクロできるのです。
ただ、平田先生みたいに筆とペンと併用している・・というか、技術が高度すぎてシンクロできない場合もありますが・・・(ううっ、どうせワタシは劇画なんて描けませんよぅ。描けても仕方ないけど。)
ここ数日、ずっと描線の練習をしているんですが、模写をすることによって自分の悪い癖も同時に発見できました。特に「入り」と「抜き」がいい加減でした。
最初から最後まで「均一」に描くというのがダメダメで。(初心者レベルだね!)
自分の場合、仕事でペン入れしているだけではダメでした。いろいろ試行錯誤してどこが悪いのか、他の先生と何が違うのかよく考えないと・・・

まぁ、普通、漫画家っていうのは無意識に上達していくものなんでしょうが。(何で自分はこうも遠回りしているのかと思う、まったく)

村野先生の絵は、白黒のバランスがとっても好きで、線もトーンも必要最低限。
「省略の美」というのでしょうか。
元々漫画の絵ってそういうところがあると思います。
そして子供向け学習まんがの場合、丁度見やすい絵柄だと思います。

いつもこういうタッチで完成をイメージしているのに、一向に上達しないのは、やはりお手本を見て練習しないでイメージしているだけだから、とつくづく思いました。
もちろん村野先生の絵も達者だしセンスも抜群なので、自分なんかが追いつけるものではないですが。
少しでも近づけたらなぁと。

自分の絵に自信が持てる人が羨ましいです。
by mieru1 | 2008-12-10 00:36 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(2)

(ペンの)線が細くならないひみつは?

やっと終わりました。仕事。
周回遅れでなんとかゴールしました。(夕方6時)
集中力のたがが外れると人はこんなに脆いのか。
そしてそのたがを締めるのはやはり「締め切り」。
今日は朝から集中して取り組めました。

さて、夕飯を作る(といっても簡単な鍋物ですが)時からドッと疲れが出て
まるで肉体労働でもしたかのよう。
ホンッと〜〜に疲れました。 この一ヶ月。
で、夕飯時に麦とホップ(500ミリリットル)を旦那と半分ずつ分けて飲みましたが
最近飲んでいないせいか、疲れのせいか、酔いがまわって眠くなってしまいました。

食後に休憩して、予想に反して読書でもネットでもなく、ペン入れの練習をしていました。

恥ずかしながら、ワタシ、漫画を描いて長いのに、未だに細い線が引けないんです。
細い線が引けないのでいつまでも画面が垢抜けません。
練習しても一向に変わらず、「こんなに長い間描いているのに上達しないのは、ある種の才能なのだろうか?」(;´д`)トホホ…と悲しい気持ちになるのですが、こんなに変化しないのは、呼吸のように自分にとって当たり前すぎて気がつかない癖みたいなものがあるのかも?と考えてみたんです。

線が細くならないのは力が入りすぎているから?
ペン先の交換が遅いから?
ペン軸の相性?
インクのせい?
紙に手の湿り気が伝わって線が太くなる?
ペングリップがついているので力が入りすぎる?
ペン先にゴミがついている?

もしかしてトレース台に乗せてある「デスクマット」のせいか?

この透明デスクマット、もう10年以上交換せずに使っていますが、何故乗せるようになったのかというと、冬の間トレース台のガラス面が冷たいのがイヤなのと、手塚先生の「柔らかいタッチを出すには下に朝日グラフなどの下敷きを敷くといい。」というお言葉があったからです。

「もしかするとマットがクッションになって微妙な力が反映されないのかもしれない。」と思い当たり早速外してみました。

年期の入ったトレース台から引っ越した時に感じる部屋と同じ塗料の匂いがします。
ガラス面も新品同様です。(一度割れて交換しました)

早速ペン入れ開始。
おお、軽くペン入れしているのにガラス面から反発する力が伝わってくるのがわかります。

描けるじゃん!細い線がっ!!

苦節ウン10年の劣等感は何だったんだ!!
この発見は以前「ワタシのインク壷、糸くずが発生してるんです」と同じ目からウロコですよ!

ーーーというわけで、嬉しくなってペン入れしまくっていたのでした。

だからといって自分の絵がすばらしく上達する訳ではないんでしょうが、長年の謎が解決されて本当に今までの苦労?はなんだったのかと・・・・
これからは教科書をかたくなに信じて守り通すのは止めて、自分の頭で考えなくては、と切に思いました。
by mieru1 | 2008-12-02 00:56 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(2)

カラーイラスト作業工程

昨日仕上げたカラーイラストです。
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髪の毛などを選択範囲で指定しておき、その下にレイヤーを置いてそこでブラシツールなどで着色しました。
髪の艶などはさらに上にレイヤーを重ねて塗りました。

よく綺麗に着色している人の作業工程を読むと、クイックマスクを選んで云々とありますが、ワタシ、クイックマスク使ったことありません。(汗)
イマイチどういうふうに優れているのかわからなくって・・・
いつも選択範囲で済ませています。
しかもそれだけ丁寧に描いていると制作時間も恐ろしくかかりそうですし。

ーーーということで、このイラストの着色時間はおよそ一時間ほどでしょうか?
もっと短縮したい場合は選択範囲→バケツツール(グラデーション)→白のブラシ、グラデーションなどで済ませます。

「キラキラ」はあらかじめ「マンガのためのブラシテクニック」(グラフィック社)に付いているブラシデータを使ってカスタマイズブラシを作っておきます。(登録は超カンタン)
一種類でブラシサイズを小から大へ換えられるので便利です。
ベタ地にフラッシュブラシ(描画色は白を選ぶ)を乗せれば一発でベタフラの出来上がり!
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べ、便利だ・・・・

というように作業の負担を少しでも機械に手伝ってもらいます。
by mieru1 | 2008-11-19 20:27 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(0)

漫画家に未来はあるのか?

仕事はあるのに何故こんなにお金が足りないのか?
旦那が無駄遣いするから?
原稿料がアレだから?

それもあるけど一番の出費は子供の学費だろう。
子供は二人とも公立高校だったので(しかも自転車通学)助かったが、大学生になった長男は私立の理系に進んだので学費が高い!
月額11万円。それでも自宅から近いので交通費や下宿代がかからないのは助かる。
学習塾は行かせられないので通信教育のたぐいしかやらせたことがない。
思えば高卒で就職していれば、まだ家計は助かったのだが、大学を卒業させるまでが親の務めと考えて来たので仕方ない。

以前から書いているように、学習まんが家は原稿料しか収入がない。
自由業者は仕事がなければ失業者と同じ。しかも失業保険もなし。
結婚して子供がいること自体が「贅沢」と言える。
しかも大学まで行かせるとなると、さらに「贅沢」だ。
それなのに第二の就職氷河期が到来しそうだし。

で、同じような年齢の漫画家を見ても、結婚しても子供を持たない夫婦は多いし独身者も多い。
むしろ一人ならなんとか食べて行ける。

そういう人から見れば家のような家庭は無謀に思われるかもしれません。
でも、将来のことは誰にもわかりません。自分にもわかりませんから。(今も未来も)
今は商業漫画誌で描いている漫画家も家と同じような境遇になっていると思います。

出版不況で単行本の初版が数千部しか出ない。(印税数十万円)
あるいは単行本すら出してもらえない。
昔と違って単行本で利益を出すことすら難しくなってきています。
雑誌に連載があれば家族を養える時代は終わった。(もちろんヒットすればそんなことはない)
漫画雑誌はこれからどんどん淘汰されると予想される。
いつ仕事がなくなってもおかしくない状況。(打ち切り、雑誌の休刊)
業界では携帯漫画が流行っている、と言うけれどワタシには眉唾モノに思える。
それで儲かる漫画家は限られた人になるはずだ。クリックしてもらえない漫画家は沢山いると思われます。(ランキング上位者ばかり見られる)
今の経済の仕組みを考えると漫画家の二極化が進むだけだと思う。
本屋を見ればわかる通り、作品の善し悪しでなく、売れるものしか扱わなくなっていくだろう。
プロの漫画家を目指す人も少なくなっていると聞く。
なかなか収入に結びつかないプロを目指すよりも同人誌活動をする方が収入に結びつくからだ。しかも自分の好きなように描ける。

これからは漫画家も絵本作家や劇団員のように副業を持ちながら「兼業」する時代になるのでは、思う。
でも漫画の難しいところは何時間働けば終わる、という見通しが立たないところと締め切りがあることだ。
他に仕事を持っていたらその時間は確実に拘束されてしまう。疲れた身体で漫画を描く気力が残るのだろうか?と思うと兼業も厳しそうだ。
連載をもらったらアシスタントを使わないで一人で描ける絵柄を考えたほうがいい。(複雑な絵は描かない、デジタルで作業を効率化させる)
結婚しても実家に同居して(家賃がかからない)連れ合いにも仕事をしてもらうのがベストだ。
そして子供が生まれたらすぐに学資保険などに加入して将来の受験・入学資金を積み立てておくこと。(これは早くかければそれだけ月払いの金額が低いので毎月の負担が少ない)

だからワタシはこれから漫画家を目指そう、と思っている人達には「止めておいたほうがいいよ。」と言いたい。
普通に就職して漫画は趣味で描いて同人誌活動をしているほうが幸せだよ、と。
無責任に「必ず幸せになれるよ!」なんて言えない。
人並みの生活さえままならないからだ。

もちろん将来のことは誰にもわからない。
悔いを残さないよう夢を追求することも大切だけど、撤退する勇気、判断力も持っていたほうがいい。
大ヒット作のある漫画家すら一生安泰か、とは誰にも保障できないのだから。

とにかくワタシは家族が食べていける収入があればそれで満足です。
その収入源が漫画であれば尚更です。できることなら生涯現役であり続けたい。
そして今の自分にできることとして、仕事を依頼してくれた人と読者に満足してもらえるような漫画を描くことと、いつも向上心を持って更に良い作品を作る努力をすること。
この2点です。
by mieru1 | 2008-11-03 02:06 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(0)

チビた鉛筆を使う研究

下書きに鉛筆を使うようになって一番困るのが、すぐに芯が丸くなってしまうこと。
大きめの絵を描いている分にはいいんだけど、細かい物を描く時など、すぐに次の鉛筆に換えなければならない。

当然鉛筆の短くなる速度も速いので、鉛筆ホルダーが必要になります。
(ちょいと短くなったら捨てるという考えは一切ございません。)
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まぁ、これが一般的な鉛筆ホルダーですが、忙しい時厄介なのが、丸まった鉛筆を取り出すためにホルダーを緩める→丸くなった鉛筆を抜く→とがった鉛筆を挿す→ホルダーを締める の一連の動作。

この鉛筆を差し替えることによって作業が中断されてリズムが途切れるのがイヤであらかじめ3本のホルダーに挿しておくんですが、すぐに全部交換しなくちゃなりません。
子供の時から鉛筆キャップのクロームサヤの長いバージョンがあったら便利なのに、と思い続けていました。何でどこのメーカーも作ってくれないのでしょうか?

そう思っていたら、文房店で自分が思い描いていたような鉛筆キャップが売っていました!
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しかしこの鉛筆キャップ、三角形の鉛筆しか使えません。
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「家に子どもたちが使っていたおにぎり鉛筆がまだあるからあれを使おう。」と思って使ってみるも、穴が大きすぎて使えません!(;´д`)トホホ…
さすが公文、自分のところが出す鉛筆しか使えないように設計してあります。
使えないキャップ決定。

画材店で新しいタイプの鉛筆ホルダーを発見。
輪を上下させることによって鉛筆を締めたり緩めたりできます。(ねじる動作がない)
これならいいかも、と早速購入。
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しかし問題がありました。
スケッチ等と違ってペン軸を短く持つため、鉛筆を締める場所(デコボコしている)を持たなければいけないのです。すごく気になります。
しかも鉛筆を差し込める深さが決まっているため、(18ミリ)鉛筆の長さの調整ができません。
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このくらい短くないと丁度いい長さじゃありません。
−−−−使えない鉛筆ホルダー決定でした。

そしてネットで理想の鉛筆キャップを見つけたので、今年の入学シーズン、色々な場所で探したけれど無くてガッカリしていたところ、偶然入った近所のデパートでついにご対面!
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サンスターの「つながる鉛筆キャップ」4本入り120円
ブルーとピンクの二色ありですが、この一袋だけ残っていました。ラッキー!!

早速使ってみます。
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2段重ねでこの長さ。
色々比べてみました。
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ちょいと短めはキャップ一つ、かなりチビたものは二つというように使います。

そして使った感想は。
鉛筆の差し替えも超カンタン、軽いし何の文句もございません。
ただ、これ材質がプラスチックだから劣化が心配。
いずれヒビが入っちゃうんだろうな・・・・
また今度買い占めに行こう。

さてさて、これで鉛筆の天寿をまっとうできます。

仕事前、すぐに鉛筆交換できるように大量に削ってスタンバイさせます。
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鉛筆を削ってこのように準備しているといつも連想するのが「七人の侍」で決戦前に地面に抜いた刀をぐさぐさ指して来たるべき大勢の敵軍を待つシーン。
まるで決戦に臨むようぢゃないか、と一人悦に入るのでありました。    おわり。

(しかし鉛筆ホルダーごときにこんなにムキになってブログを書いている自分って、ほんっと〜〜に暇人幸せ者だな〜〜〜〜。)
by mieru1 | 2008-10-28 00:45 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(6)

「バクマン」を読んで漫画家になるには?を考える

先週の土曜日、スーパーへ行った時に週刊少年ジャンプの「バクマン」(第5回)を読んだんですが。

この漫画、最初から読んでいないので、何故主人公が漫画家を目指す事になったのかなど、ネットであらすじを検索してだいたいの流れを把握しました。

漫画家志望だけど絵が描けないので原作者志望になった男の子(なのに漫画の知識がないという矛盾)が
元漫画家志望の男の子とコンビを組んで漫画家になろう、というもの。
 元漫画家志望の男の子には漫画家の叔父さん(故人)がいて、漫画界の辛酸を見ていたので漫画界に対して斜に構えている、とこんなところか。
 その他にも絵描きのほうの男の子にタイムリミットとして好きな娘と結婚するために18歳までにアニメ化するようなヒット作を描く、というのがある。。。。。。

まず今回変だな〜〜と思ったのが、主人公が梶原一騎のような熱い漫画(スポ根)が好きだ、という件。
どう見ても本人が描いている絵とマッチしてないよ、と。

原作者(これ、大場つぐみは実はガモウひろしです、とカミングアウトしているんですよね?)が絵が苦手なせいか、絵のスキルを上げることに一生懸命になっていますが、そんなことよりも自分は漫画で何を描いて何を表現したいのか?のほうが重要だと思うんですよ。

たとえ小畑健のような絵柄を描けたとしても、自分の描きたいジャンルにそぐわなかったらどうするのか?
上手い絵というのは全然万能じゃないんだけどな・・・
むしろ更にリアルで小難しいストーリーを要求されちゃうのにな、と。
漫画というよりも映画に近づいてしまうというか。
よって、バクマンの主人公がスポ根を描くのは絵とストーリーの相性が良くないよ、と。

先日、須田 信太郎の「ウルティモ・スーパースター」と福満しげゆきの「僕の小規模な失敗」を読んだんですが、こういうのを読んでいると漫画っていうのは絵が上手い下手なんてどうでもいいんじゃないか、と心の底から思うわけです。
むしろ彼らは自分の描きたいものを、心から楽しんで描いているぞと。
ある意味、自分の漫画の中で自分を解放していて羨ましい。
この人だけにしか描けない、唯一無二のものだ。
そして上手い絵だけどつまらない漫画より絵が下手でも面白い漫画のほうが絶対にいい。
多くの読者は面白い漫画が読みたいんだから。
漫画はイラスト集じゃないぞ。

それに本当に漫画家になりたいのなら、福光しげゆきのように、イラストでなく漫画を描きまくっているのが本来の姿だと思う。漫画を描きながら絵の努力をするのがベストだと思う。
これなら絵とネームの両方に力がつく。
いくら絵が上手になっても漫画の要求する技術はそれだけでは足りない。
一つのコマの中で要求される絵(情報)はケースバイケースで無限にある。

それと気になるのが最近の漫画家(または予備軍)は、ネームを切る時頭に浮かぶのは漫画でなく「アニメ」の画面なんじゃないかと。
時間と労力を削っているアニメ(顔ばっかりで、説明的な絵がない。体の一部しか出てこない。カット多用。声を消して見ていると意味不明になる)を参考に漫画のネームを描くと、音の助けのない漫画は何が起こっているのかわかりくにになってしまう。
だから最近の漫画は何が起こっているのかわからなくて普通の読者が離れている気がしてならない。
「ちゃんと台詞で説明してあるからキチンと読めばわかりますよ。」というのは只のいい訳。読者はそこまでつき合って読んでくれない。つまらない(わからない)と判断したらそこで読むのを止めてしまう。

もちろん絵が上達するのは何より大事だけど、いつもストーリーやネームの力を見過ごされているようで。
漫画家として長く仕事をしていくつもりなら、山本おさむの「マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり」という本なんかも読んで欲しい。(現場ではこういう力=例えば読み切りを描く力を求められていない気がするが。そんなものよりキャッチーな絵を描けよ、という矛盾。しかしそれも絵の力がなくなったらポイ捨てされる運命だ。その時生き残るために必要なのがネーム力。)
自分の漫画をより面白く伝える手段がネーム力だ。
絵だけ上手ければいいものじゃない。

あと、「バクマン」のように自分はストーリーを作れないから原作者を求めて二人で漫画家を目指しましょう、という場合に気をつけて欲しいのは、描き手の方がストーリーの責任を放棄して原作者に依存してしまい、自分は描くの専門だから、と安易に思っている場合。

原作者がいつも合格点に達するようなストーリーを作れると思ったらいけない。
自分で読んでみて面白くなかったら脚色するくらいの批判力がないと。
(自分が読んで面白いと思えなかったら原作に問題があると判断したほうがいい)
その反対にたとえ素晴らしい原作があったとしても、自分のネームの切り方によって平凡な、あるいはつまらない漫画になることだって充分ありえる。
それくらい漫画を描く立場の者は、いろいろ考えなくてはいけない。
(小説の漫画化だって描き手によって違う漫画になる。)

そして他人からの批評は真摯に受け止められるくらいでないと、漫画家なんて絶対に無理!
たった一人の批評も受け入れられなかったら、顔の見えない多数の読者からの批評になんて絶対に耐え切れない。
そういう目にあいたくないなら編集者や友達にどんどん批評してもらって自分の何がいけないのかわかったほうが断然いい。
大勢の読者に楽しんでもらえなかったら商売として成り立たないんだから。
イヤな思いをせずにプロになれる方がまず変だと思わなくちゃ。

好きなことを仕事にできるのはとても幸せなことだけど、漫画を描くってことは、すごく忍耐力がいることで、体力、知力、精神力を使うもので、思い通りにいかない世界で、いつまでも食っていけない世界です。
それを覚悟の上で、「だけど漫画が好き!描かずにいられない!」という人だけが漫画家になれると思います。
by mieru1 | 2008-09-16 21:15 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(0)

原稿返却

今日は午前中、旦那が数年前小学館の学年誌に描いていた「ゾイドの改造紹介」のホビー漫画の原稿をわざわざ小学館の使いの人が自宅まで届けてくれました。
その数わずか5枚・・・・

昨日当時の担当さんから原稿返却の電話があり、直に届けに行きますと言うので旦那は
「わざわざ遠くまで(そんなおまけページの)漫画を届けなくていいですよ。宅配便でかまいません。」と返事をしたのですが担当さんは「万が一事故があるといけませんので。」ということで本日に至った。

今回の雷句先生の訴訟問題を受けての対応なのでしょうが、本人の意見を参考に臨機応変に対応すればいいのに・・・と思いました。(何かこういうところがお役所的。旦那は「まるで年金問題の舛添さんみたいだ。最後の一枚まで直接返すのだろうか?」と言っていた。)
北海道や沖縄の作家さんまで直に届けるのだろうか・・・と余計な心配をしてしまいました。

原稿返却といえば、ワタシも今は無きボンボンで受賞した原稿を返してもらいたいのだが・・・・交流が途絶えた今、知らない人の手をわずらわせるのも気が引けて・・・連絡するなら「ライバル」編集部なのだろうか?・・・・ずっと気になっているがそういう心理面でのやり取りを考えると引けてしまう。うーーん、もっとずうずうしくあるべきなのだろうか?
漫画の新人賞の原稿はもれなく返却するところもあるし、出版社、編集部によってもまちまちだ。
ワタシは逆に賞金だけもらっといて原稿を返してもらうということに後ろめたさを感じてしまうのだが。(そう思っているのは自分だけで編集部では邪魔になっているのかもしれない・・・)

ーーーしかし今は返却がどのような形であれ当たり前になったのかもしれないが、先日亡くなられた飯森広一先生のファンサイトでのQ&Aによると、昔は印刷後は原稿を捨ててしまう出版社が結構あったらしい。

*では、原画は残っているのか?[P]

原稿を捨ててしまう出版社もあって、当時は驚いた。 ほんのわずかだけ残っている。
「アラシ」を復刻した時、出版社は初版のコピーを使ったらしい。[F]
http://good-forest.hp.infoseek.co.jp/urabanashi/urabanashi.html


そういえば知り合いが昔、銀座でいらなくなったディズニーのアニメセルを道行く人に配ったという話を聞いたことがありました。
当時は印刷されたり、フィルムになったりして商品の形になった時点で不要になったんでしょう。(保管場所も取るし)
そしてそれが常識であった。
漫画やアニメの原画の扱いの低さにちょっとショック。

今回の一件はまさに青天の霹靂といったところで、やっぱり常識って50年持たないんじゃないか、と思う次第でした。
by mieru1 | 2008-07-10 23:01 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(2)

野望は捨ててはいない

最初から「学習漫画家」を目指している漫画家志望者はいないと思います。
もちろん自分もそうでした。
が、編プロや学習誌関係で仕事をもらう機会が増え、それで収入を得ることが多くなり
落ち着くところに落ち着いてしまった、という感じでしょうか。

今でも漫画雑誌で描きたいという気持ちはあります。
今の仕事をしつつ、何度か投稿してチャレンジしてみたこともあります。
ですが、途中で諦めてしまいました。
何故かというと、雑誌に載るまでのやり取りが「あまりにもロスが多い」ということが上げられます。


年齢的にいって30代後半に入っていたのでここでなんとかしないと、と年齢制限が気になり始めていました。
子供も手がかかる時期で、家事、育児の合間をぬって漫画を仕上げるのはかなりきつかったですが、何より収入が少なかったので、少しでもいいから毎月固定収入が欲しかったので必死でした。

児童向け作品(31ページ)で、カンフーギャグものを投稿用に描き上げました。

2002年? A社に持ち込み。
担当編集者のアドバイスを受け2度直しの後、賞に出すも落選。
この時、担当さんも結構な手応えを感じていたようですが、私の作品が社内的なニーズに応えられなかったようです。
自分では子供が読んで面白いものに仕上がったと思ったのですが・・・
その後担当者さんが異動して、受賞しなかった私もそのままフェードアウト。

その後かなりたって
せっかく描いたのに(漫画は一本仕上げるのにかなりの時間がかかっている)無駄にするのは惜しいと思い、B社に同作品を持ち込み。
担当者さん、おおいに気に入ってくれる。
初めての打ち合わせで意気投合、このままこの路線で会議にかけてやっていきましょう、と企画案、取材予定など立ててくれてこちらも安心したのもつかの間、
会議で編集長が「そういった暴力的なものはうちの雑誌のカラーじゃないから。」ということで白紙状態に。
 結局そこで「作家リスト」のようなものに入れられ、「あなたに合いそうな企画がありましたら連絡します。」とのこと。
まるで「漫画家の派遣会社みたいな仕組みだな。」と思い、漫画を作るシステムが前と違うのかな、と思う。
これじゃ誌面に載ることはまずないだろうな・・・とお手上げ状態。(対処のしようがない)
その後そのリストから紹介された学習漫画の単行本の仕事(超安い原稿料)が半年後くらいに入る。

2003年 
今度はC社に青年誌向けにスポーツ漫画を新たに持ち込み。
編集者さんは、まぁそこそこ描けると思ってくれたみたいです。
佳作はいけるかな、とおっしゃってくれました。
この時、自分からいろいろ質問をしましたが、私が会ってきた数少ない編集者の中では
一番漫画について的を射たことを次々と答えられる人でした。(たいへん勉強になりました)
佳作入賞しましたが、特に連絡がくることもなく、まぁその程度にしか思っていなかったということでしょう。

それに自分にとってはたった「一人の編集者」さんでも、相手にとっては「沢山かかえている新人漫画家のうちの一人」ですから当然かもしれません。
自分も絵柄について、あまりに力が無さ過ぎたことにこちらの編集部に積極的にかかわっていこうと思えなくなっていました。
(ここで真面目に絵のスキルアップ=デッサンの練習をしていこう、と決心しました)

佳作をとったことで少しだけお金が手に入りました。
もう、連載なんかの不確かなものより賞金稼ぎをしたほうが手っ取り早いのではないかと思うようになりました。

2004年
D社に以前描いた児童漫画を持ち込みました。
ちょうど旦那も持ち込みに行っていて、そこの担当さんが若いけれど話がわかる人だというので、その方に持ち込みに行きました。
ちょうど賞の募集締め切りにかかっていましたが、とても気に入ってくれてあずかってくれました。
編集部内でも評判が良く、特に副編集長さんは「全ての評価に5」を入れてくれたと聞き、「自分が面白いと信じて描いた漫画が評価されたんだ。」ととても嬉しかったです。(今でも)
そして佳作をいただきました。

続きはこちら
by mieru1 | 2008-06-17 20:15 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(11)

学習まんが家の生活

なんか雷句先生の一件でネットが燃え上がっているようですね。

ワタシごときのブログのアクセスが今までにないくらいになってて正直ひいてしまいます・・・(こんな誰も知らないような漫画家のブログまで訪問していただき、恐縮です・・・少しは役に立てたのかしら)
どこかにリンクされたのか、刻一刻と数が増える・・・・(汗)
何か無責任なこと書けなくなっちゃいますね。

ところで今回の一件で、漫画家さんがポツポツとブログで発言されているようですが
漫画雑誌とは無縁なところで漫画を描いている身としては、非常に興味深いです。
ですので、今回の雷句先生による関係者の告白は一応同じ漫画家としていろいろ知る機会を与えられてよかったです。
しかもなかなか表立って発表できる内容ではないので、先生方の勇気には頭が下がります。(特に原稿料はタブーなので)

せっかくなので、ここで漫画雑誌ではない、学習漫画で食べている者の世界を少し紹介しましょう。(あくまでワタシ個人のことなので、他の漫画家さんも同じとは限りません)

ワタシのような学習関係の漫画を描いている者にはまず「印税生活」とか「担当編集者」というのは無縁の世界でして・・・
もちろん仕事をするにあたっては担当者はつきますが、こと「学習まんが」は
担当者が「漫画専門」の編集者じゃないので、漫画の専門家であるワタシが作品の責任を取らなくてはなりません。

もちろん担当さん(あるいは編プロのライターさん)がシナリオを渡してくれることもありますが
やはりそれも「漫画専門」の原作者ではないので、あまり使えないこともしばしば・・・
あきらかにページ内に収まらないとか、ストーリーの始まりの部分しかなかったり、
漫画としてちっとも面白くない話(ライターだけに往々にして会話で全てが進む。絵的な表現がない)だったり等々・・・・
(というか、編集者=ストーリーを作れる、ではない。。)

そういう時はなるべく意図を汲むようにします。

場合によっては、無理難題を言われることもありますが、無理な場合はその理由を説明し、妥協案を考えて折り合いをつけます。

そこで漫画を本職としている自分が内容と狙いに添うようにストーリーとキャラを考えて漫画を作ってゆきます。
わかりやすく言えば、「学習テーマ」という「お題」をもらって漫画を作るということですね。

もちろん読者は小学生など、年齢層が低いので絵を見ただけで理解できるように構図を考えたり、内容が理解しやすいようにネームを工夫します。
文章もなるべく短めにするために、一番ふさわしい単語を選び
一つの単語にいくつもの意味を重ねたり・・・・


それには自分がそのテーマを理解していないとわかりやすいネームが切れないので
資料などを読み込みます。
自分でイマイチ面白くないなと思えば納得できるところまで書き直します。
(そう毎度納得いくものができるわけではないですが・・・)

それゆえに「自分が船頭になっている」という責任感がありますし、やりがいがあります。

そしてネーム、完成原稿をチェックしてもらいますが、たいていテキストの修正で終わってしまいます。(もちろん要望があったらそれに応えます)

そして普通漫画家さんが印税で生活が成り立つ、というのも我々には関係なく
原稿は「買い取り」方式なので、その後いくら増刷しようが一切手元には入ってきません。(ところによってはイラストを流用して料金が派生しないこともあります)
そしてたいてい原稿料は一万円以下です。
ひどいところは4千円というところもありました。(二度とその料金で引き受けたくないです)
単行本の場合はグロス計算のことも。(一冊○円で、という具合に)
ですので、基本依頼があったお仕事は全て引き受け、アシスタントは一切使わない!
つまり収入は「原稿料のみ」!
原稿料金はアナログもデータも変わらないと思っています。
どちらが高い、と聞いたことがありません。(ワタシはデータ入稿)

そして締め切り厳守。
担当さんとはいい関係を築く。
いい作品を作って次に繋げる。( 次があるのか?という世界ですが)

ーーーこれがワタシの仕事のモットーです。

漫画雑誌で描いている人だけが漫画家ではない、ということを知っておいてください。
そこは印税も読者からの反響もない世界なんです・・・・(一所懸命仕事をしている者としてちょっと寂しい。業界の人からも相手にされないしね)
しかも会員限定の媒体も多いし。
とかく低く見られる学習漫画家です。


>>追記 青字の部分を書き足しました。(6月15日)
by mieru1 | 2008-06-11 00:11 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(13)

落書き

最近時間があるので読書しないで落書きしている。
(漫画家のくせに仕事以外あまり絵を描いていない。本当はたくさん描きたいんだけど)

これは以前写真やネットを見て鉛筆書きしたものをペン入れした。
(A4一枚にこのぐらいの量を描く)
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コピー用紙に下書き、ペン入れしたんだけど、漫画用原稿用紙よりもペンタッチが好みなんですけど・・・・
原稿用紙に描くより細い線も太い線も引きやすい気が・・・・。何故だ?
紙のザラつき具合がちょうどペンに引っかかっていいのかも。
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ミリペンで描いたキャラクター調。(A4から切り取ってます)
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スプーンペンで描いた。
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Gペン。
女の人は胸の大きさとか肌の露出以外で色気を出せるといいな。
女の人はカワイコちゃん系よりお姉さん系を描くほうが好き。

今もらっている仕事が自分本来の絵柄で描いていないので、一体どれが自分本来のタッチなのかわからなくなってきました。(どれが一番自分の得意な絵柄なのかと・・・)
ただデフォルメ調はあまり上手く描けないなぁ。
カメレオン漫画家の本当の絵は自分にもわからない・・・・困った。
by mieru1 | 2008-06-06 00:36 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(2)