漫画家の子供時代と作品世界は繋がっている

昨日書いたことでフト思いついたことだけど・・・

最近の少年漫画がファンタジーやゲームの漫画みたいのばかりになった、
というのは現在の漫画家の子供時代の遊びと深く関わっているんじゃないか、ということ。

もちろんゲームやアニメが好きで漫画家になった人も世代的に多いと思います。
ただ、「身体を使った遊び」体験が私達の世代と比べて圧倒的に少なくなっているはず。
そういう人達に面白いスポーツ漫画や部活漫画を生き生きと描けるか?
多分無理だと思います。
どんなに上手にそういうシーンを描こうが、本人にその魅力や好きという気持ちがないと、どうしてもその気持ちが作品に表れてしまうからです。

そういうことでワタシより上の世代と今の若い漫画家世代とは
共通して体験してきた遊びは全く違うし、体験してきたものが違えば感じるものも変わってくる。
自分がゲームみたいな漫画に違和感を感じるように、若い世代の漫画家も昔の漫画に魅力を感じないかもしれない。
自分が面白いと思えない世界を描かないのは当然だ。

が、読者も皆、若手漫画家と同じ趣味をしているわけではない。
(若手漫画家の趣味はほとんどがゲームとアニメに感じる)

ただ、商業誌がアンケートを重視するがために、今のような片寄った読者層に向けた雑誌が出来てしまったのは皮肉。
読者の住み分けができたといえばそれまでだが、少年漫画はそれこそ子供から大人の読者まで楽しめるものだった。(当然読者数も多い)
自分がリアルタイムで読んでいた頃のジャンプは星野之宣や諸星大二郎が掲載されていて、それこそ大人読者も楽しめる「幅のある」雑誌だった。
(そういう私は「ドーベルマン刑事」とか「リングにかけろ」とか「東大一直線」とか「すすめ!パイレ−ツ」が好きでした・・・あっ、「味平」も。笑)

自分は子供すぎてこの2人の作品は好きではなかったが、そういう子供でも「ああ、こういう漫画もあるんだな。」と違う漫画を「知る機会」は与えられた。
それが読者を育てることに繋がるんじゃなかろうか?

しかも今のジャンプは「一見さんおことわり」のニオイがプンプンして
とても新規参入できる漫画はない。(どんな話なのかわからないので)
しかも排他的な感じさえする。
まるで仲良しグループが楽し気に騒いでいるのを見せつけられている気分。
これじゃ売上が伸びるわけがない。

売上を伸ばすためには幅広い読者が楽しめる漫画を半分くらいは載せないと。
スーパーヒーローばかりじゃなくて読者に近いような主人公だって必要だ。
(「プレイボール」の谷口くんみたいな)
でもこういう地味な漫画って、アンケートの票がとれないから今では企画の段階で撥ねられてしまいそう。
今は企画段階からメディアミックスやら、副産物で漫画以外に儲けなければいけないことになっているし。
漫画作品が投資の目的みたいになっては、面白くなりようがないと思うのですが・・・・

まぁ、とにかく編集者も若い世代になってそういう感覚(データだけが面白さの全てではない)が失われているでしょうから
こんなことを書いても「年寄りが何を言っているのか。」と思うだけでしょう。

ですが漫画が元気だった時代を知っている者には今の漫画(ジャンプ)を見ると悲しくなってしまうのでした。(余計なお世話か)
by mieru1 | 2008-04-04 00:08 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(7)
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Commented by yosi at 2008-04-04 07:20 x
作者は自分の子供時代に面白いと感じたものを書いている。
確かにそうですね。
もう随分前に見た水木しげる先生の漫画で学校生活の描写があったんですが、
私はそれを読んで何か違和感を感じました。
その違和感は作者がおくった戦前のご自分の小学生時代の雰囲気が期せずして出てたんですね。

現在の漫画は何か閉塞感がありますね。
大人も子供も愉快に読める線の太い漫画は出ないものでしょうか。
Commented at 2008-04-04 10:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mieru1 at 2008-04-05 12:25
>yosiさん
水木先生の子供時代、子供同士の喧嘩が野蛮すぎてビックリしたことがありましたが、それくらい子供が逞しかったんですよね。
今の「怪我すると危ないから」ということなかれ主義の真逆で、どちらかといえば野生児が好きな私は古い時代に憧れちゃいます。(笑)

自分が子供時代の少年漫画雑誌は、じつにバラエティ豊かでした。
スポーツもの(野球から釣り、バイク、スポーツカーまで様々)、学園もの、ギャグ、SF・・・
今は一つのジャンルしかないんじゃないか、というくらい同じに見えます。
しかも漫画家のほうもオリジナリティで勝負するんじゃなく、誰かの真似でいいや、と思っているんじゃないかとさえ見えます。

バラエティに富んでいれば、読み手も自分好みの漫画が見つかって結果、それが読者数を確保することになっていくと思うのに、アンヶ重視だと、一番人気のある作品をコピーして二番煎じの作品ばかりになっていきます。

「ドラゴンボール」がヒットした時のジャンプはそれがあまりに露骨で、全ての漫画が「天下一武道会」になったのには疑問と怒りを覚えました。

Commented by mieru1 at 2008-04-05 12:26
(続きです)
結局編集者も人気作品をコピーすればそれなりに人気が取れる、ということを覚えてしまったので自分で新たな漫画を考えるのを放棄してしまったのでしょう。
Commented by mieru1 at 2008-04-05 12:27
>鍵コメさん
昨夜はどうも。
また何かあったらメールしてくださいね。
Commented by マリン★″ at 2008-04-13 22:56 x
こんばんは~。
桜舞い散るこの季節。 過しやすくて好きだったのですが花粉症になってからは・・・複雑です。

最近の少年漫画誌は買うどころか、立ち読みさえする気になれないというか。
ほんと、似たり寄ったりで続けて読みたい! と感じる作品がなかなかね。
今のままでは、読者層が限定されてしまいますよね~。
Commented by mieru1 at 2008-04-14 00:14
>マリン★″さん
花粉症は辛いですよね。
私も毎年この季節、ちょっと鼻がむずがゆくなると「もしやついに?」と青ざめます。

拾ったジャンプ、その後我が家では誰にも手にとってもらえずゴミ箱行きでした・・・・
もちろん誰も続きを読みたいとも言いませんでした。
ある意味いい気味だ、とも思いました。(黒笑)
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