絵を描く人と描かない人のギャップ

ある掲示板で
「絵の下手な漫画家」として
長谷川町子があがっていて愕然としました・・・・((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

その他にも
さくらももこ、青木雄二、福本信行先生などがあがっていましたが・・・・

私は数ある漫画家さんの中でも長谷川町子先生は
「達者な絵」の人と思っていたのでかなりショックでした・・・

というか、絵を描く人と描かない人の間では、とらえ方にすご〜〜くギャップがあるんだろうな、と感じています。

長谷川町子先生の絵は、デフォルメしていても、きちんと人間の骨格を感じさせるし、(そういう点、外国の漫画と似ているかも)あの小さなコマの中にお話の舞台がすぐに理解できるように必要最低限の小物などもキチンと描くし、(車を描くのは苦手そうだけど)たった4コマの中で「いつ・どこで・誰が・何をした」かがわかる最大限の見せ方ができる力のある人だと思っています。

何よりも「絵が上手い下手」よりも「漫画が面白いか否か」というほうが重要なんじゃなかろうか・・・と、いつもこの手の議論で思うのですが。
だいたい漫画は「絵」と「お話」を分けて考えるものじゃないし・・・

小畑健が「ナニワ金融道」を描いたら違う漫画になってしまうと思うし、
「面白くなるか?」とも思う。
「ちびまる子」ちゃんだって、あの絵だから独特の雰囲気が出てキャラクターに感情移入できるんだと思う。

それは食べ物で例えるとわかりやすいんだけど、フレンチレストランで作る
日本蕎麦がはたして美味しいのか?ということ。

家の旦那がよく言うのは
その物語を語るのにふさわしい絵柄がある」ということ。
このへんを案外わかってないなぁと言います。

そういえば以前、投稿用に陸上漫画を描いた時に参考資料として買った
しげの秀一先生の「DO★PI-KAN」も、すご〜〜く身体の描き方が上手いんでびっくりした。
何気なく読んでいた時は気付かなかったんだけど。
普通、筋肉の筋とかびしび描いて「逞しい身体」を表現してしまうものだけど、
しげの先生はほとんどそれをやらず、輪郭の微妙なカーブで表現していた。

走る絵っていうのはリアルに描こうとすると、すっごく難しくって、
(オーバーアクションでデフォルメして描くのならそうでもないが)
この時自分のデッサン力のなさをつくづく感じたんだけど、
こんなふうに描けちゃうんだ、とホント真似なんか出来ませんでした。

絵を描かない人から見ると
リアルに描いてあるものや、今風の絵柄、激しく斜線が書き込んであるもの、トーンを張り込んでいる見栄えのいいものが「上手い」基準になるんだろうな。
それがいけないんだと否定はしないし、むしろ消費者が好むのはそういう「上手さ」なんだというのはわかるけど、自分はお化粧美人より健康美人を目指したい。
その上に一本でも描く線を少なくして表現したい。

自分は小さい時から幼年漫画から少女漫画、青年漫画まで「何でも描ける」手塚治虫先生を尊敬していますが、最近思うのは、手塚先生はあの絵柄だからこそ、いろんなタイプのお話が描けたんだな、と気付きました。
すごくニュートラルな絵柄なんだと思う。
もちろん丸っこい絵柄なので肉体性のあるストーリーなど向かないものもあるでしょうが。

絵柄が古臭い、というだけですぐに「下手」と言い捨てるのもどうかな、と思うので今一度そのへんのことを考えながら漫画絵について語ってみるのも面白いと思いますよ。

とにかく漫画はイラストが続いているのとは違うので・・・
by mieru1 | 2007-04-19 22:49 | 漫画を描くこと | Trackback(1) | Comments(4)
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Tracked from ちびまる子 at 2007-04-22 14:25
タイトル : ちびまる子
バラエティー番組付きドラマ「全部ちびまるこちゃん」... more
Commented by おおいわ at 2007-04-20 01:37 x
そういう、目がフシアナストの書くことはシカトでいきましょう。
いちいち愕然とする時間がもったいないです。
長谷川町子の人間観察力は超絶だと思います。
街のおじさんおばさんの所作、動物の特有のしぐさ、使いかけの生活用品、針山にささる針一本一本の角度…ナドナド

でも馬鹿だな…
掲示板でそのコメント書いたひとに、
長谷川町子が描いた、マンガ以外の油絵とか見てみろと言いたい。
写実派ですごく上手いんですよ。
画家としての画集がうちにあるので、富士山さんにもいつかお見せしたいっす。
Commented by mieru1 at 2007-04-20 23:58
>おおいわさま
おお、さすが〜〜。
そうですね、町子先生はその観察力に長けていますよね。
所作にしても道具にしてもさりげないんだけど、確かな観察力が生きてます。
で、さりげないから絵を描かない人にはその凄さが理解できないのかも。

油絵も見た事ありますよ。
でも、油絵が上手だから絵が上手い、以前にやはり確かな技術があるからどんな手段で描いてもブレがないと思います。
サザエさんの絵は、その技術があるからこそあんなふうに描けるんじゃないかな・・・・

所作で思い出したけど平田弘史先生の時代劇劇画も、まるでその時代にいったかのような自然な感じを受けました。
そう思うとバガボンドとかは、やっぱり現代の時代劇なんだな〜〜、と思いました。
Commented by yosi at 2007-10-23 23:52 x
長谷川町子先生の油絵などは私も拝見しましたがあの程度の絵を描く人は五万といます。

そうではなくて先生の漫画の絵そのものがものすごくうまいんですよ。

あのような絵を描ける人は大人漫画で結局長谷川先生一人しかいなかったのがその証拠です。

どうも世の中の人は美術の画と漫画の絵の違いを混同して勘違いしているようですね。

さくらももこ、青木雄二両氏の絵がへた?

下手な絵で満天下の評判を取れるほど世の中は甘くないです。



Commented by mieru1 at 2007-10-24 21:49
>yosiさま
おお、わかっていらっしゃる。
絵はリアルに描けば上手に見えやすいですが、漫画的表現はデフォルメ、省略にあると思います。

私はしょせん漫画は漫画なんだから、漫画らしい表現をするほうが、漫画の良さが表れるんじゃないかな・・・と(個人的な好みですが)思っています。

さくらももこ、青木雄二氏の絵も独特の空気を表していますね。
しかも誰が見てもすぐに「あの人の絵だ!」とわかる唯一無二な絵柄はなかなか描けるものじゃありません。
そして面白い(味わい深い)絵柄だと思います。(上手いけどつまらない絵もあります)
あたりさわりのない絵しか描けない私には羨ましくもあります。

>>下手な絵で満天下の評判を取れるほど世の中は甘くないです。

漫画オタクでない、一般的な読者のほうが絵に関係なく漫画を読むのではないかな?と思います。
そういう読者にとって、魅力のある漫画なんだと思います。
要は絵柄云々も含め、面白いから支持されるんでしょうね。
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