孤独な作業で陥ってしまうこと

漫画を描くというのは孤独な作業で
特に自分みたいに読者からの反響もない所で描いていると
自分也にどうしたら良い作品になるか?を考えて目標が向上心だけになってしまい、
他人(読者)からの目を意識しなくなっている時があります。

自分で善かれと思ったことが実は読者からはどうでもいいことであったり。

漫画家のよくあるパターンとしては「絵が上手くなりたい」でしょうが
これも絵が上手い人は掃いて捨てるほどいるので、上を見たらキリがないし
逆に目立たずに埋没してしまうこともあるでしょう。
そうすると何のための向上心だったのか?になってしまいます。
ーーーこれが読者置いてきぼりの自己満足になっていたりします。

学習まんがでない漫画だったら、やっぱりその漫画家でしか表現できない面白さ(絵もストーリーも)をアピールしなくちゃ注目されないんでしょうね。
皆と同じではない個性や魅力が必要でしょう。

ワタシはよく「漫画家は食えない」とボヤキますが、漫画家も読んでもらってナンボの世界なので芸人さんと変わらない職業なんだと最近つくづく思います。
だから食えなくって当たり前・・・というかそれだけリスクが大きいというか。

ーーーさて、一人で作業する孤独な作業ということで、周りの目が見えない袋小路状態に入ってしまうと書きましたが、アシスタントも使わず、家で独り黙々と漫画を描いている人達は特に煮詰まってしまう状態なんだろうな・・・と思います。
結婚相手がいても相方がクリエイターならモノツクリの共通点がありますが、そうでない場合は自分の仕事のキツさ等を理解してもらえなかったり仕事の相談相手にならず悩みを一人で抱えることになりそうです。

今はネットがあるので人との交流がつくり易くなっていますが、それでも自分の作品について批評してもらったり漫画界について話し合ったりするまでには中々至らないでしょう。
編集者とよくコミュニケーションをとっている場合は違うのでしょうが
独りで創作活動というのは自分以外の考えや刺激をもらえずに行き詰まりそうです。
(コミケに参加する漫画家さんはそこでお互い刺激を受け合うのでしょうが、同業者ほど作品を批評し合わないそうです)

ワタシは漫画専門の出版で描いていないので、自分の作品は自分でコントロールして自己判断しなくてはいけないので、気をつけないと今回のように読者よりも作品の完成度という自己満足のほうに主眼が行ってしまいます。
旦那も同じ学習畑の漫画を描いているので批評してもらったり相談できるのでまだ恵まれている方なのかもしれませんが。

部屋に独り引き蘢って仕事をしていると益々世間一般的な考えから離れて「世間知らずが世間の人に向けて漫画を描いている」状態になってしまうので、自分としては意識して社会に出て行って「世間の人」と交流するようにしています。(自分にとって「世間の人」=「読者」という意識です。)
小学校の読み聞かせボランティアをしたり、ご近所さんと立ち話をしたり、ネットで仲良くなった人とお会いしたり。
(で、久しぶりに家族以外の人と話すのが実に楽しいのです。)

社会との接点の少ない漫画家にとっては編集者が「世間の代表者」に当たるのでしょう。
でもできるなら代表者は一人よりも多いほうがいいですよね。

いくら本等で知識を得ても「百聞は一見に如かず」で直接五感を通して感じることがクリエイターにとって大事だと思います。
そう言う意味でも半ば強制的で嫌々やっていた、学校の役員活動や地域の仕事も「普通の人」と接するいい機会になりました。
「こういう人達が自分のお客さんであるんだよな。」と心の中に読者を想定してお話作りをするのも大切なイメージなんだろうな・・・と思います。

田舎に引き蘢っていると段々それに順応して前ほど出歩かなくなってしまいました。
つまり田舎の一部屋だけが自分の生きる場所になりつつあります。
なんて小さな世界でしょうか! これはヤバいです。
これでは益々浮世離れした世捨て人状態になって「自己満足」の世界に埋没しそうなので
もっともっと外へ出なければ!と自分に言い聞かせています。
by mieru1 | 2009-06-06 21:28 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(7)
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Commented by おちゃずけ at 2009-06-07 10:01 x
みえるさん、今回の意見全くもって賛成です。
「人は人とのふれあいの中でこそ成長できる」とは
私の指針です。
自分とは違う他者の中に、学ばせていただけること
感動できること、反面教師になること、自分が感じた時
成長する事ができるのではないでしょうか。

でも、その反面、みえるさんはいろいろな事に自ずと気づいておれれる。
これはまた、一つの事に徹してこられて人間の慧眼かと思います。
すばらしい人生だと思います。
Commented by おちゃずけ at 2009-06-07 10:09 x
私の妹は、学習漫画の「ナイチンゲール」を読んで看護士になりました。
そしてわが娘も今、嬉々として歴史マンガを読んでおります。

評価が前に出るか否かの差は確かにありますが、
学習漫画が一人の子どもの人生に与える影響は
普通の漫画に劣らないと感じております。

過去の人たちの生き様を伝える尊い仕事です。
どうか誇りを持って続けて下さい。
みえるさんの生き様に勇気つけられてる一人として
心より、そう願います。
Commented by mieru1 at 2009-06-08 01:22
>おちゃずけさん

「人間」と書くくらいですから人は人と関わっていないといけませんよね。
集団生活が本来の姿なので一人で創作活動しているのって本来ならば自然でないのかもしれない、と。
(ところでおちゃずけさんの家では旦那さんが技術職ですけど漫画の仕事において共通点や相談相手としてはいかがでしょうか?厳しそうですが・・)

いろいろ考えてしまうのは、いつもと同じだと飽きてしまうのとやりがいがなくなってしまうからだと思います。妥協したらそこで停滞が始まるというか。
問題点っていうのは自分の根の部分に多分に絡んでいますよね。
己を知る作業といいますか。自分を知ることが作品創りにおいて重要だな〜〜、と思います。(なんか大袈裟ですが)
「自分探し」って言葉が流行りましたが、アレ、別に旅に出たりしなくても自分を深く見つめて行けば探し求められるのに、とワタシは思います。

Commented by mieru1 at 2009-06-08 01:28
続きです

普通の漫画と比べれば注目度は低い学習まんがですが、子供の時に読んだものの影響力は侮れないものがありますよね。
いつまでも記憶の底にあるというか。
ワタシも自分の描いた漫画が子供達の記憶の片隅に少しでも引っかかってくれたら、と思いながら描いてます。
そのためにもコンパクトながらも読者にズバッ!とテーマを伝えられたら、と念頭に描いている・・・・つもりなんです。(上手くいかない時も多いですが)

もちろん読者が伝記漫画に影響されて「伝記の○○みたいになりたい!」なんて思ってくれたらサイコーです。
Commented by おちゃずけ at 2009-06-11 13:03 x
みえるさん、銀座の打ち合わせ、いかがでしたか?
銀座で打ち合わせなんてかっこいい!!

髪も早速昨夜やってみました。
いつもは朝は両脇がオコゼのように跳ねてるのですが
今日はまっすぐ。
黙っていればセレブママみたい・・・と思っているのは自分だけです。

さてさて余談長くなりました。
パートナーが同業者と言うのは本当に羨ましいです。
ご指摘の通り、私とだんなは場合、職業も、性格も、年もまーったく違います。

でも、私の場合はかえってそれが刺激的で、よかったと思います。
今までの自分の考え方と全く違う考えを提示され
ああ、そんな感じ方もあったのか・・・と10年たった今でも驚かされています。

夫婦っておもしろいですよね。
Commented by おちゃずけ at 2009-06-11 13:15 x
さて、結局作品は自分自身。と言う意見全くの同感です。
使い古された感じのある言葉ではありますが、この年になってしみじみと
感じるものがあります。

書きたいこと多々ありますが、文章では伝わりません。
いつか、お会いしてゆっくりお話聞かせていただきたいです。
みえるさんのプロ精神、学びたいこと山のようにあります。

あらあら、伝言板のようになってしまった。
みなさま、ごめんなさい。




Commented by mieru1 at 2009-06-13 11:53
>おちゃずけさん

さっそくホームパーマに挑戦したんですか!早いっ!
私は早くもチリチリが戻りつつあります・・・(涙)

異業種の旦那さん。確かに違う世界ならではのギャップや気づきがあってそれはそれでいい刺激になるでしょうね。
家はどうしても二人漫研状態になって価値観も似ているので、益々現状の漫画界から離れている気がします。(理想論)

この年になって感じるのは、漫画家にとって技術力も大事ですが、人相手の仕事なので、家に籠ってばかりいないで世間を知る努力をしたり(人間観察ですね)編集者ともコミュニケーションをとれる力がいるな、ということです。

どの仕事、人付き合いでも当然必要なコミュニケーションですが、漫画家志望者の志望理由が「人と付き合うのが苦手なので」というのも、若いうちはいいけど年を取ってから困ったことになるだろうな〜〜。と思うからです。
まぁ年取っても漫画家であるほうが珍しいので一概には言えませんが。

いつかお会いしておしゃべりしたいですね!
是非、銀座じゃない所でお会いしましょう。(笑)
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