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松本かつぢ資料館へ行ってきました!

普段は電話予約をしないと入館できない「松本かつぢ資料館」ですがゴールデンウィーク中は予約不要とのことで5月2日、行ってまいりました。
閑静な住宅街の中に慎ましく看板が出ています。(個人のお宅なので要予約なのです)
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お手製のクルミちゃんの看板が目印です。カワイイ!
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中へ入るとかつぢ先生の末娘の「うさまま」さん@usamama924 が作品案内をしてくださいます。
説明の他にも展示されていない原画等をどんどん出して見せてくださいます。
写真もOKとの事なのでバシバシ撮ってきました。(でも帰宅してみたら撮り忘れも一杯・・・)

まずは絵本の原画「不思議の国のアリス」
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同じく「すずの兵隊」
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初期(叙情画)の頃の作品
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少女の必需品・便箋の表紙や紙のオモチャ等
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そして衝撃だったのがコレ!


続き
by mieru1 | 2015-05-04 00:04 | いろんな感想 | Trackback | Comments(0)

学習漫画の絵柄について

私は近代文学や古典を4ページで紹介する漫画の仕事をしていますが、
最近、自分で「何故私はわざと地味なキャラクターデザインを選んで描いているのだろう?」と色々と考えていて思い当たった点を書いてみます。

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まずは読書ボランティアをしていた時読んだ「話すことーよい語り」(松岡享子/東京子ども図書館)でも語られていたと思うのですが、こちらの経験者のブログから引用します。

「読み聞かせボランティアに行ってきました。」

>>大事なのは、読み聞かせで一番大事なのは何か?ということ。

声色を使って面白く演じて読んであげること、それは子どもたちにとって楽しいかもしれないけど、その印象が強すぎると絵本そのものの印象が薄まってしまうかもしれない。だから、絵本の世界を大事にするためにはなるべく読み手の印象を強めてはならない、というのが、なるべく淡々と、という指導の意図のようです。

なるほど。

読み手が派手に演じてしまうと、その後その本を読み返すときもそのイメージがついてきてしまうかもしれない、それは確かによろしくない。 (引用終わり)


この後にも筆者さんは、本の通りに読むのではなく、教室全体にどう聴いてもらうか、笑わすのかしんみり聴かせるのか年齢に合わせてフレキシブルに対応するのが良いのでは?と書いています。

この部分(絵本の読み方)今回私が学習漫画に対する絵柄に共通する部分だと思ったのです。

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by mieru1 | 2014-06-08 15:13 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

少女漫画の棚で迷子になる

たまには萩尾望都(「半神」)でも読んでみようかと本屋に行くもどこにあるのか皆目検討がつかない・・・

思い返せば自分が買った少女漫画の単行本って
巴里夫の「チャオ!ミニミニ団」「六年○組○○番」、和田慎二「超少女アスカ」、柴田昌弘「紅い牙」、美内すずえ「白い影法師」くらいしかないんだ・・・・(あとは姉の「アタック!NO.1」)
少女漫画とはいえ男性漫画家ばっかり。
巴里夫以外の単行本は大学生になってから懐かしくて買いました。


少女漫画雑誌も読んでいた時期はあるんですが、ごく短い期間で
別冊少女マーガレット→週刊少女コミックを3年間くらい。
少女コミックは竹宮恵子でいうと「ファラオの墓」「風と木の歌」が載っていた頃で萩尾望都は当時小学3年生くらいだった自分にはチンプンカンプンでした。([ポーの一族」「トーマの心臓」 人気があるのは知っていた)
で、だんだん細くて女みたいな男しか出てこない少女漫画は自分の性にあわないと悟ってジャンプやチャンピオン、マガジンに流れ、それ以後ホントに少女漫画系は読まないで来たんです・・・・・
大学時代は男でも少女漫画を読むほどのブームだったにもかかわらず。
だって叔父さん家にあったジャンプとチャンピオンの方が全然面白かったんですもん。
元々アイドルとかファッションとかに興味が無かったのと、それよりもフィジカルな躍動感があるものや、熱血ものが好みだったというのが理由の一つに挙げられるでしょうね。


ーーーだもんで(かつての)少年漫画ならどの漫画家がどこの出版社で活躍していたかは何となくわかるんですが、こと少女漫画になると誰がどこの出版社で描いていたか全然わからなく、沢山の棚から探す気力もなくなり帰ってきてしまいました・・・・
こんなつまんないことでつまずく漫画家ってどうなのよ・・・・と思います。

いつか!いつかきっと読んでやるん ダーーーーーッ!!(と心の中で右手拳を突き上げる)
by mieru1 | 2012-04-03 20:39 | いろんな感想 | Trackback | Comments(2)

「普通に面白い」という感想

最近レビューなどでよく見かける「普通に面白い」という感想。

これ、すごく困りますよね。
というかこのような曖昧な言葉遣いが日本人らしいというか。
ハッキリしないのが嫌いなワタシには嫌な言葉です。(笑)

自分としては「どこが面白く感じるのか」が知りたいのにそう言う人に限って具体的にここが面白いと思う、という言葉が無いのです。漠然としすぎて何がいいのかさっぱりわからない。

つまり評価としては及第点だけど「可もなく不可もなく」と言ったところか?と思う訳です。
5段階評価で言えば3以下か?
そう考えると「普通に面白い」は褒め言葉ではない。
単に「つまらなくはない。そこそこ。」だと思う。
「つまらなくはない」=「面白い」ではないはずだ。

そして「普通に面白い」という言葉には自分の下した評価に難癖つけられたくない、という下心も垣間みれるような気がします。
つまりその感想について追求されたくない、という逃げを感じるのです。
感想なんて人それぞれなんだから多数が面白いと思うものをつまらないと言ったっていいじゃないか。
そしてそれ(自分と同じ感想を持つこと)を強要するのも変な話だ。(私は面白いと思うけどそれを面白いと感じない貴方は変ですね、とか。それって気持ち悪くないですか?)


本当に「面白い」と思ったら。

そこには興奮が伴うはずだと思います。
面白いと感じたから誰かに伝えたい!
そういう感情が入ってくるはずです。
具体的にどこが面白かを言えない「普通に面白い」は変な訳です。
だからワタシはその興奮度で「面白さ」を判断できるのでは?と思います。

例えば。

帰省した時、姉が初めて使うiPhoneについて「こんなふうに今までと生活が変わった!」と教えてくれました。
かなり興奮してアレコレと教えてくれました。
こういう興奮が皆に伝わったからこそあれほどの大ヒット商品になったのでしょう。

では地味な作品には興奮は伴わないのでしょうか?
それも個人によって興奮度が違ってくるでしょう。

ワタシは去年読んだ数少ない漫画の中で一番「この漫画はすごい!」と感動したのが
古い作品ですが新潮社から出ていた「ゴッホの生涯」(芝田 英行)でした。
超超地味な漫画です。
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その次が「料理人ーつくりにん」(小島剛夕)。
その次が「ブラック・ジャック創作秘話」(吉本浩二)。
(全部地味やねん。さすが地味な漫画家。いずれの作品も主人公が一所懸命自分の人生と闘って生きているところが好きです。そういう意味で梶原一騎作品が好き。)

「ゴッホの生涯」はちゃぐりんの伝記漫画の参考に読んだんですが、そのとっつきにくい絵柄で損をしていると思うものの、見事にゴッホの生きた世界へと誘ってくれました。
ゴッホの泥の中を這いずり回るような、どうにもならない生き方を見事表現しているというか。
この絵柄だからこそそういった世界を表現できたのだと思います。
例えばこの漫画を谷口ジロー氏が描いたら、もっと注目を浴びたでしょうが
同じような陰鬱とした世界が表現できたとは思えません。(別の作品になっている)
作者自身もゴッホになりきって描いているのがビシビシと伝わってきました。(漫画家版北島マヤみたいです)
漫画の世界だけどものすごいリアリティを感じ、ワタシもゴッホという人物を感じました。
そこに「すごい!」と感動したんでしょうね。

この作品自体、発行部数も少なく日の目を見ずに「知る人ぞ知る」作品になってしまったようです。
その後この漫画家さんが漫画を描いているのかは不明ですが、同じ漫画描きとして
渾身の一作を描けただけでも勝ち組ではないか!と羨ましく思いました。
売れた売れないなんて関係ない!いい物はいいのです!
(良い物が必ずしも売れる訳ではないのです)

ーーということで超地味な作品でも興奮することはあるのです。
「普通に面白い」なんてつまらない。
「普通に面白い」には興奮が感じられないのです。

そしてワタシは今年もそういった「面白さ」に出会いたいものです。
(自分自身もそういう会心の作品を描きたいものです。切に。)







ああ、そう思うと朝青龍の相撲は本当に面白かった・・・・・
あんなに相撲で毎日興奮したことは無かったわ。
by mieru1 | 2012-01-10 00:59 | いろんな感想 | Trackback | Comments(7)

新年あけましておめでとうございます

ミレニアムからもう十年が経ってしまったんですね・・・・速い。
あれから十歳も年をとったのか。 ーーーーー老けて当然だ。

今年はありがたいことに2本ある連載内容がそれぞれちょっぴり増え、去年より忙しくなります。
「今年はなんとか乗り切れる」、という保証があるのはフリーにとっては本当にありがたいことです。
が、来年も同じように仕事があるかという保証はどこにもないという、恐ろしい職業でもあります。

それこそ十年前には年内、来年、再来年の見通しがつかないと不安な気持ちに襲われましたが
今は「とにかく今日、今月、そして今年の見通しがつけば全てオッケー!」というくらいには
タフになりました。
それよりも日本人全体がいつの間にかワタシのような自由業者と同じ気持ちを味わっていることに
恐ろしさを感じます。
日本はどうなるのだろうか・・・・

それにしても五年前に、前のMacにOS Xを入れるのに大騒動がありまして
「もういっそのことアナログに戻りたい」と書いているのを読んで
それに関してはちっとも成長していないんだと(そしてそんなに昔のことだとは)
ビックリしました。トホホ。

ーーーという訳で正月休みも関係なしに元旦からいつも通り仕事してます。
相変わらず4本同時進行、そして一本新たに依頼が入りました。
燃えてきました。
仕事をくださる方達の期待に添えるよう頑張らねば。
今年も漫画の仕事、頑張るぞ〜〜〜〜〜!!066.gif

こんなに好きなことで仕事がもらえて本当に良かったと
新年早々幸せを噛み締めております。
お仕事をくださる方々に心より感謝しています。

皆さんにとっても幸多い年になりますように!

(知っている漫画家さんが新規の仕事を獲得しているのをブログで知ると本当に嬉しくなります。
地道に努力していればきっといい結果につながるんだ、と勇気づけられています。)


追伸>>しばらくブログのロゴ(自画像)をJOJO顔メーカーにしてみます。
皆さんも是非遊んでみてください。 ゴゴゴ。
by mieru1 | 2010-01-03 00:10 | 近況報告 | Trackback | Comments(10)

取材に行ってきました

金曜日は御茶ノ水にある脳神経外科へ取材に行きました。
いろいろ先生に質問しましたが、いわゆる通説というものがいかに眉唾物かということがわかり
(脳にはドコサヘキサエン酸がいいとか、ガムを噛むと眠気が覚めるとかテレビに出まくっているアノ先生とか)今回取材に行かないで資料だけでネームを描いていたら大変なことになっていた、と思いました。

埼玉に越してからというもの、交通費も時間もかかるので打ち合わせ、取材に滅多に行かなくなったのですが
それこそ「百聞は一見に如かず」で直接話を聞くことがどんなふうに重要なのか、身を以て知りました。

医学、歴史関係は(なんでもそうですが)日々研究が進むので、一般的に知られている情報が今では間違っている、ということがよくあります。
(「一夜城」「懐に信長の草履を入れて温めておく」等で有名な秀吉のエピソードも「太閤記」から来ていて事実ではない、等)

「知ったかぶり」がこういった学習関係では危険なのです。
せっかくネームができても情報が間違っていればリテイクが出るし、締め切りまでの時間は減るし、デメリットが増えてしまいます。
自分が善かれと思って入れたエピソードが監修者チェックでリテイクをもらうのも、こういう取材をしないことから来ます。

取材は滅多に話す機会もないような人に会えて貴重なお話を聞けるというのも、いいことですよね。
専門家のお話は新しい発見に溢れていて楽しいです。
そこで得た、自分が知って楽しかったものを自分の漫画に活かして読者に還元していくのが、学習まんがの役目だと思います。
それが自分の場合、「学習まんがに描きたい」動機に結びついていきます。

金曜日は他にも2カ所まわり、その後二日も人と会う予定があって
こんなに家族以外の人と話すのは一体何年ぶりなんだろか?という三日間でした。

ーーーしかし、今夜からのスケジュールは伝記漫画のゴーサインが出たのでそちらの制作と、今回取材した「脳」のネームを同時進行で進めないと時間がないっ!!(滝汗)       ヤバ〜〜〜〜〜〜ッ。
今回の伝記漫画は「杉原千畝」ですが、監修の先生から「素晴らしい!」とのお墨付き?をいただいたので
テンション上がってま〜〜〜す053.gif
滅多に人から褒められないので素直に嬉しいで〜〜〜す♫

それからちゃぐりん編集部に行ったとき
「いのちの歴史」を読んで歴史に興味を持ったという感想も(少しは)ある、とのお話も聞けたので
益々読者のために頑張らなくっちゃ!と張り合いが出て来ました。
自分の描いた漫画が歴史や読書の啓蒙に役立つなんて漫画家冥利です。シクシクシク・・・・・

あ、あとは絵が・・・・・・
絵に関しては中々自分では及第点が出なくって・・・・・・・・・・・・・永遠の課題です。(涙)

これからも自分が勉強して面白い!と思ったことを子供達にわかりやすく、面白く届くよう、頑張るぞ〜〜〜〜!!066.gif

目指せ漫画界のかこさとし!
by mieru1 | 2009-06-22 22:16 | 仕事 | Trackback | Comments(4)

人に優しい企業と漫画

昨日のNHK「クローズアップ現代」のテーマは「人に優しい企業」。
不況でも堅実な経営で業績を伸ばしている企業では、例として松下幸之助や井深大、本田宗一郎の経営理念を守って
働く人を大事に育て会社も安泰している、というもの。

有名な言葉なんだろうけど心に残ったものを挙げてみます。

「ものを作る前に人を作る」
「理を優先し情を添える」
「無理に売るな。客の好む物を売るな。客のためになる物を売れ」   (松下幸之助)

「開発で最初から儲けることを考えると小さくまとまる」   (井深大)

「会社は大きくするより長続きさせることが大切」  (取材を受けていた部品工場の社長さん)

「時流で伸びた時は本当の力ではない」  (伊那食品工業の会長さん)



経験から出て来る言葉はどれも力強く芯が通っていますね。
ーーーしかしワタシはこれらの言葉を聞いて皮肉だなぁ、と苦笑してしまいました。

だって漫画雑誌がやっていることがこれの反対なんだもの。
漫画雑誌が売れなくなって当然だよなぁと思いました。

人を育てず使い捨て。
編集部の方針を優先させるは良しとして、情を添えない。
アンケート重視でアンケートを出さない読者のニーズ置き去り。
読者のためより利益優先。クライアント優先。
まず「売れるキャラ=期待できる成果」ありきで作り始める。

自分が関わった数少ない漫画編集部がこんな感じで漫画を創っていました。
漫画家のやる気をなくすことばかり。
ロスが多く、それで面白いものができるなら納得できますがつまらなくなるだけ。
それはどんどん描き手のモチベーションも下がっていくようなシステムになっているから。
つまらない作品を時間と労力をかけて創っている感じ。
いや、時間と労力をかけて作品をつまらなくしていると言ったらいいでしょうか。

休刊してしまったある雑誌では作品よりも先に重視するのが売れるキャラクターデザインでした。
「このキャラを使ってどんなオモチャを展開していけるか。」と漫画家の領域でないことまで企画させました。
ストーリーやテーマはキャラが決まってから考える。
「えっ!?漫画ってそういう順番で創るの?」と戸惑うばかり。

漫画は描きながらキャラがつかめて意外な発想や展開が出てきて結果、それが生き生きとした漫画に繋がっていく場合がよくあります。
売れそうなキャラデザだと性格までありきたりになります。
それだけ「売れるようなかっこいいキャラデザ」が枷になって自由な発想ができなくなるのです。

例えば「こまわりくん」のようなキャラはまず生まれないでしょう。
「こまわりくん」のキャラデザインがあって、性格がこうで・・・と設定資料が添えてあってもそれで「こまわりくん」の全てのイメージはできないと思います。
漫画のキャラは漫画の中での動きを見て初めて「ああ、こういうキャラなのか。」とわかります。
お見合い写真でその人の全てがわからないのと同じです。
だから今の編集部のデザイン優先の会議だと「こまわりくん」はまず通らないでしょう。
それだけ漫画の可能性を潰しているのです。

例えて言うとまず始めに98という数字(キャラデザ)があって、それでどんな数式ができるか自由に考えろ、という感じ。
(足し算でもかけ算でも因数分解でも何でもいいから98になる式を立てる)
これだと決して98より大きな作品にはならないでしょう。むしろその半分くらいになる可能性が高いです。

これは井深大の「開発で最初から儲けることを考えると小さくまとまる」という言葉に当てはまります。

漫画はキャラクターデザインが良ければ成り立つの?
ストーリーって何?
そんな漫画が面白くなるの?

ワタシはそういう漫画の創り方をしたことがないのでやりにくくてたまりません。
漫画を描きたい動機がキャラデザではないんで。

自分にとって漫画を描くのに一番重要なのが「こういうテーマ(狙い)で漫画を描きたい!」という動機なんですが、そういう人間にとっては疑問ばかり。
「表現するっていうのに動機は大切ではないのかな?」
「そんなやり方で面白い漫画になるのかな?」と疑問や不信感ばかりつのって益々やる気が失せて行く悪循環。

そして更にやる気を奪うのが
何度もネームを描いて担当者がOKを出したというのに
それから編集部内のコンペに出して、そこでまたボツになって・・・・
担当者がOKを出してそれを編集部でみてここを改良したらゴーサイン、ならわかりますが
コンペでリセットになるってどんだけロスが大きいんだと・・・・・
コンペに出すまでに時間も労力もかかっているのに。

結局こんなことの繰り返しでいつ掲載されるか見通しがつかないし一文にもならないので、こっちもやる気がどんどんなくなり疎遠になりました。
いつ載るかわからない漫画に時間を取られるくらいなら違うことをして収入を得ないとこちらも干上がってしまいますからね。ボランティじゃないんだし。
そうやって人が育つ前に淘汰され、その繰り返し。
編集内部でもモチベーションは下がっていくでしょう。
だってせっかく自分が労力を払ってつき合ってた漫画家を何度も失っていくんですから。
パンチを空振りするような徒労感があるはずです。
一所懸命やるだけ無駄だと思ってもおかしくないでしょう。

もう一つこの編集部で驚いたエピソードがあって
「都市伝説」の企画があったんだけど、ある作家さんが描いたものをコンペに出したら編集長が「怖すぎる」とボツ。
もうちょっと明るい絵柄の人に描かせて、ということである作家に描かせてこれもボツ。
何度もそういうことを繰り返してその企画も無くなってしまったんだろうな、と思っていたら2年後くらいに他の作家さんで突然読み切りが掲載されていました。
「まだあの企画生きていたんだ〜〜〜。」とあっけに取られると同時に、こんな編集部にいつまでも関わらなくて良かった、というもの。
企画から掲載するまで2年間。そして掲載された作家さんはそれっきりでした。
皆さん、ご苦労様です。と言いたくなりました。

またある編集部では編集者の派閥によって漫画家の扱いが悪かったり、その漫画家に合っていないものを描かされ、結果人気が出なくて打ち切りなど
必ずしもその漫画家の力が正当に評価されている訳ではないんだ、と思ったり。

こんな有様で漫画家が育つ訳ないよ。人間に優しい企業じゃないもの。
(「優しい」=「甘い」ではないですよ。)
もっと人間扱いして欲しいな、と思う訳です。

漫画が売れない理由として出版社は「娯楽が増えたから」「携帯のせい」「少子化のせい」「ブックオフのせい」
等とその理由を挙げていますが、内部から見たら売れなくなるシステムを作っているんだから当然じゃん、と思いました。

こういう創り方をしている限り漫画に未来はないなぁと残念に思うのです。
by mieru1 | 2009-06-17 16:29 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(5)

ポジティブに行こう!  ーーー行きたいーーー行けるか?

今日は口腔外科へ行って抜糸してもらいました。
やっと笑っても歯茎が引き連れなくなりました。(ホッ)
腫れは治まったけど内出血がまだ残っていて、このまま外出したら
「あの人DV受けているのね!」と誤解を招きそうだ。

その後、ネーム。
中々やる気が起こらなかったけど、「よしっ!やるぞ!」とスイッチが入ってだいたい4、5時間内でできると予想。
集中してガ〜〜〜〜〜ッ!とやりたかったんだけど、相変わらず家事諸々で途切れ途切れ・・・・・
買い出しに散歩に夕飯作りにと集中してできませんでした。
ホント嫌だわ。
脇目もふらず、漫画だけに集中するってことはワタシの人生ではないんだな。 ちっ。

今回の漫画は大好きな動物漫画家の飯森広一先生に捧げるつもりで描きました。
(もちろん読者にも)
飯森先生の動物漫画は名作だ〜〜〜〜〜。
「ぼくの動物園日記」とジャンプスーパーコミックスの短編集全三巻しか読んでないけど
飯森先生のストーリーテリングがワタシのツボ。
漫画らしく、そして感動を与えてくれる優れた子供漫画だと思っています。
なんでああいう漫画が載らないんでしょうかね〜〜〜〜?
ほんっと大好き!!
子供時代、何度繰り返して読んで笑って涙したことか。
ワタシの好きな漫画家ベスト3に入ります。

そして元気が出ないのは「なんでもかんでも更年期のせい」と考えるのは止める!
自己暗示をかけてどーする!?
元々ペシミストだけど、そういう生き方はいいことないから今日からまた前向きに、ポジティブに行く!
よ〜〜〜し、頑張っちゃうぞ〜〜〜〜!

と元気が出るのはいつも夜から・・・・・orz

たまには日中も元気元気でいきたいよぅ・・・・・
明日は次男の仮装ハイキングのために朝6時起きだよ。
あと山登りが趣味の人がいるので土日が普通に早起きだったりするの・・・・・(五時前起床とか)
夜型人間の早起きは酷ですよねぇ・・・・?(;´д`)トホホ…
by mieru1 | 2009-05-16 00:56 | 近況報告 | Trackback | Comments(2)

漫画は絵柄だけが重要なの?

最近の携帯漫画やその他の漫画の求人でよくあるのが
「プロ・アマ問いません。絵柄を見て決めさせてもらいます。」というものです。
これって漫画という仕事をバカにしているのでしょうか?

こういう依頼をしてくる所は大抵漫画に対して素人なのですが、漫画って絵さえ描ければ成り立つと思っている?

確かに絵は第一印象として最優先されるでしょう。
絵を見てお客さんが手に取って読みたくなる漫画、というのはわかります。
内容は読む「努力」をしないとわからないからです。
でも読んでみて面白かった、満足した、といえる漫画がどのくらいあるのでしょうか?

ワタシのような古いタイプの漫画家からすると「漫画は絵とストーリーがあってこそ初めて評価できる。」と思っているのですが、今の編集者は絵柄で評価を決めてしまうようです。

コンペで絵の見本を出せ、と言われたら自分の場合、大抵不採用になるんじゃないか、と思います。
以前ある漫画賞を獲った時、その雑誌のレビューサイトで「こんな絵柄だとさぞ内容も陳腐でつまらないのだろう。」と絵の印象だけで全てを評価しているのを見て驚きました。
その漫画を読んだ訳でもないのにここまで言い切れることに、見た目の重要さと恐ろしさを感じたもんです。

でも絵柄は生ものと一緒で時代時代で流行が移り変わり、今風だった絵はすぐに「古くさい」に変化していきます。
そんな中、変化しないもの、揺るがないもの。
それがストーリー作り、ネーム作りだと思っています。
面白い漫画を描ける、それが作品を描くにあたって大切なことじゃないか、と思うのです。
読者に読んで喜んでもらうことが描き手としては何よりの喜びだと思うからです。
なので自分では絵よりもネーム作りの方に自信があります。

そんな求人募集の中で採用してくださり、何回もお仕事をいただく版元さんがあるのですが
この仕事は資料をいただいて、そのテーマにそって漫画の構成からキャラ作りまでまかされています。
打ち合わせの時に「何故何度も使ってくれるんですか?」と聞いたことがあります。

「アマで女の子などのキャラの絵が可愛かったので頼んでみたのですが、他の絵が描けなかったり漫画として面白くなかったり、満足出来る作品じゃなかったことが続いたんですよ。」とおっしゃっていました。
そりゃそうです。プロとして修練してないんですから。
どうやらその繰り返しで固定の漫画家に頼むようになったようです。

漫画業界に携わっていない人達には漫画雑誌に載っている漫画は全て漫画家一人が作品をゼロから作り上げている、と思い込んでいるんじゃないかと思われます。
独りよがりになりがちなストーリーを指導したり、「こういうテーマで漫画を作っていきましょうよ。」と編集者が漫画家を先導していない場合は皆無ではないか、と思います。

で、件の求人のパターンでは、「原作さえあてがえば漫画として成り立つ。」くらいにしか思ってないのでは?
それって楽譜が読めても演奏者の腕によってはいい曲にならない、というのと同じだと思うんですよ。

ワタシは漫画家として生き残っていくにはとにかくネーム作りを磨く事を第一に、そして画力のアップを心がけています。
漫画は絵だけでなく、その見た目とストーリーが合わさって成り立つ娯楽。
片方だけでは漫画ではありません。

でも現実は「絵柄」最優先なんですよね。
いい漫画を描くのに「絵柄が古いから。」ということで仕事がなくなっていくのが現実でしょう。
絵柄の商品価値で漫画の全てが決まってしまう。
「売ってしまったもん勝ち」でその時売れれば良しとする商魂が見え見えです。

一時期の児童漫画雑誌では可愛いキャラクターが氾濫していて人気があったのでしょうが、今でも続いている漫画があるのでしょうか?
「漫画はキャラクターが一番!」ーーーこれに文句はありませんが、あまりにキャラクター重視でもう片方の「ストーリー」をなおざりにしてこなかったのか?と思います。

絵柄は大事、でも読んでつまらなかったら普通の読者は二度と手に取ってはくれません。
でも採用する側は次から次へと現れる漫画家志望者に同じ事をさせて使い捨てていきます。
漫画家だって成長していくんです。
小説家だって年を取ってからデビューするのはそれだけ自分の中で社会経験やいろいろな思いをしてきたから
色んな立場の人の気持ちがわかったり、こういうお話を書いて読者に楽しんでもらいたい、考えてもらいたい、というテーマが確立されてくるからです。
派遣切りと一緒でその人が今まで培ってきた技術や経験をそこで捨てることと一緒です。
そして経験ゼロに等しい新人を採用しては捨てる、の繰り返し。
今風の絵柄は割と簡単に描けても、ネーム作りの力を付けるには経験と時間がかかります。
こんなことで漫画界は充実していくのでしょうか?

そういった状況で先ほどの仕事先の編集者さんが出来上がった作品をとても評価してくれて、それに応えてくれるようにフォント等に気を遣って仕上げてくれたりすると、相乗効果で仕事の達成感が全然違います。
そこにはお互い「いい仕事をした!」という満足感があるからです。

「プロアマ問いません。」というような所でこういった達成感のある仕事はできるのでしょうか?
それは読者に対して満足していただけるか、という姿勢も問われていると思うのです。

でも現実はネーム力や総合力よりも「可愛い今風の絵柄」に駆逐されていくんですよね・・・・
それがやるせなくって。
そんな中、ワタシを信頼して何度も依頼していただける所ができると本当に嬉しく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいになります。

漫画業界の現実がそうとわかっていても漫画で食べていくことを選択した自分は覚悟を決めて進んで行くだけです。
「今に見ちょれよ〜〜〜〜。」と耐えて精進あるのみ!
負けてたまるかっ!
by mieru1 | 2009-03-04 16:20 | 仕事 | Trackback | Comments(16)

いつまでも14番目の月で

連載も数年経つと、だんだん慣れが出てきて初めての頃と比べると緊張感が薄れてきてしまいます。
そういう時、締め切り前になるとやっと焦りからエンジンがかかったりする訳ですが、これが我ながらイヤで。

「そんな余裕のある身分でもないし、大作家でもあるまいし、何ヨユーコイテンノ?ジブン。」
と自己嫌悪になるのです。

学習まんがはオリジナル漫画と違って、一種の小論文みたいなところがあって、沢山の情報のなかから子供読者に伝えるべき内容の取捨選択、言葉選び、わかり易さ、どうやってまとめよう等、ネームに取り組む前段階で、自分の場合足がすくんでしまうのです。
まるで大きな山を前にして「これからここを登るのか。はぁ・・・・・・。」みたいなみたいな。。。。。。。
で、五合目を過ぎるまでがまた一苦労で。

でも絵を描く段階に入ると今度はもう楽しくなるので、結局この「ネーム作業=頭脳労働」が毎度苦しい訳であります。
(絵を描き終わるまでは時間との闘いになりますが)

10ページの伝記まんがのネームで早くて7時間(これは滅多にない早さ)〜48時間。
30ページ弱の学習まんがで40時間〜60時間がだいたいかかる時間ですが、もちろん扱うテーマによってはもっと時間がかかるし、伝記に至っては幕末が舞台だったりすると、沢山の人々の入り組んだ思想などを説明したり(小学生は6年生にならないと歴史を習わないので基礎知識がない)、いかに省略するのかも難しく、何度もネームを書き直したりします。
しかもそれだけ苦労して描いても複雑すぎて子供たちは読んでない可能性も・・・・・
まして面白いのか、というと自信なし。
人生が短い人や、資料が極端に少ない人だとアピールする部分が迷わず選択できるのですが、長生きした人や、資料が沢山ある人、紆余曲折して中々何をしたいのか定まらない人はまとめるのにも苦労します。

もちろん絵を描く時間のほうがずぅっと長いんですが、やっぱりこのネーム作業が一苦労でプレッシャーになるんです。

で、お題の「いつまでも14番目の月で」なんですが。
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「14番目の月」 荒井由実

ユーミンが独身時代最後に発表したアルバムに入っている表題作ですが
歌詞の内容は初々しい恋の物語。
愛の告白をした瞬間から終わりが見える、そんなお話。

「次の夜から 欠ける満月より
14番目の月が 一番好き」


何てうまいことを言うんだろう。
普通は満月が一番好き、と思いそうなのに。
この頃のユーミンは凄過ぎる。冴えまくり。

今の自分の仕事に対する気持ちは満月になってないか?
次の夜から欠けちゃうんじゃないか。
挑戦者として毎月緊張感を持って取り組んだ、ドキドキした気持ちを忘れていないだろうか?

仕事がなくて世の中から自分が必要とされてないんじゃないか、と脅えていたあの頃。

いつまでも、永遠に14番目の月の気持ちを思い出さなきゃいけないじゃないか。

絵を描くのが楽しくて仕方ないとき、本当にこの14番目の月状態になるんです。

そういう気持ちをこのネーム作業でも思い出して取り組まねばっ!


よ〜〜し、今夜からワタシは14番目の月になっちゃる!
えいえいお〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!066.gif




14番目の月

荒井由実 / EMIミュージック・ジャパン


by mieru1 | 2009-01-17 19:13 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(0)