タグ:漫画読み ( 6 ) タグの人気記事

小島剛夕 「料理人 ーつくりにんー」  を読んで

読みました!
全4巻ですが、少しもダレることなく一気に最後まで。
ストーリーは江戸時代。十年に一度の「包丁式」に初めて関東(江戸)から選ばれた料理人(主人公の父)が
幼なじみでライバルの料理人の策略に嵌められて失敗し、料理人としての責任を感じて自殺してしまう。
この悪役は母親、父の弟子まで殺すことになり、真犯人を知った娘は料理対決で親の復讐を果たそうと決心するもの。

すんごく面白かったのですが、打ち切りにあってしまったのか、あと2巻あったらとても完成度の高い作品になっていたのでもったいない!の一言でした・・・
(以下、軽くネタバレアリ)



まず、やっと探し当てた師匠の元でする修行に一巻。最後の仇を討つ件に一巻。
これで完璧。
残念なのは、ずっと「親の仇は料理対決で」と心に誓ってブレずに話が進んで来たのに
突然打ち切りが決まったのか風呂敷を畳むため、無理矢理、仇と同じ策略を主人公もするところ・・・
故に料理の腕比べというのは無しに。
それだから最後の対決で使うはずだった包丁を頼んである刀鍛冶のおじさんの所にも行けないで終わってしまった・・・・・
3巻を読んだ時点で「これ、本当にあと1巻で終わるの?」と思わず旦那に聞いたらこんな結末になるとは・・・




ストーリーの面白さの肝になるのはやはり主人公が「女」だという壁でしょう。
敵と対決するにも料理の腕を上げて対等にならなければいけないし、かといって女料理人なんて許される時代ではない。孤立無援。
しかもどんな酷い目に遭っても決して心が荒む事無く、目的のために精進していく主人公の清々しさ。

それにしても、料理人が主人公ということで、職人が題材のせいか、所々で小島先生の仕事に対する姿勢みたいな言葉が出てきます。
その言葉に重みがあり、昨今の「かっこいい決め台詞」が出てくる若者漫画とは違う、大人の漫画です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それにしてももったいない!と悔しく思います。
そして、人気次第で長くも短くもなる漫画連載。
最初から「このページ数・巻数で完結」というくくりがあったら、もっと作品の質が上がるのでは?とも思いました。(テレビの大河ドラマや朝ドラのように)
長さのワクが決まっていれば、だいたいこの話数までに事件があって、キャラを出して、話が進んで・・・とストーリーも創りやすくなると思うんですよ。

「人気次第でゴール(最終回)がどこになるかわからない。」
作品の完成度を考えるとこれほど怖いものはありません。
それは毎月12ページで伝記漫画を描く仕事をしているから特にそう思うのかもしれません。
最初から全○話で終わる、とわかっていれば途中から読む新規の読者も、最初から読んでいる読者も最後までつき合ってくれるのでは・・・?なんて思ったり。
それにはやはり、面白いストーリー漫画を決まった話数で描ける力のある漫画家を選ぶ、編集者の目も問われるはずです。企画ものだっていい。
そして人気があれば新シリーズとして数話完結の約束で始める。
そのくらいの長さでやった方が漫画家のモチベーションも保てると思うんですよ。
いくら人気があっても十年もやっていたら飽きちゃうだろうし、ネタも切れちゃうだろうし、何より作家本人が歳とってしまうので、雑誌の読者層とズレて来てしまうでしょう・・・

最近の読者が「ダラダラといつまでも続く漫画に辟易としている」様子から、試験的にそういう連載漫画があってもいいんじゃないか?と思ったり。
それに短い巻数なら興味を持った新規の読者も遡って買ってみようか、という購買意欲にも繋がってくるんじゃないかと思ったり。
(ワタシとしては新規で全巻買うとしたら10巻前後が限度かな・・と。)
価値観は人それぞれですが、やっぱり娯楽である漫画は読み終わって「ああ、面白かった!」「感動した!」っていう満足感が得たいのだと思います。
期待して映画館に足を運ぶのと同じです。
お話が完結するというところに一つのカタルシス、満足感、充実感があると思うのです。(つまらない作品では駄目ですが・・)
でも逆に、もし自分には合わなかったとしても、そのくらいの短さなら「時間と金を返せ!」ということにもならないのでは・・・・・。



ーーー「料理人」を読んで、あまりにもったいない!と思ったもんだから、ついこんな事まで考えてしまいました。
by mieru1 | 2011-11-20 19:47 | いろんな感想 | Trackback | Comments(0)

二人の漫画家さん

あれっ?期限が過ぎてるのにホームページがいつまでも消えない。
まぁいいか。

ホームページが消えるにあたって、自分のサイトを読み直してみた。
自己紹介のページで好きな漫画家が書いてあるが、今もそれは変わっていない。




b0013305_1103773.jpg




ここにはないけれど、「てづかマガジン れお」に掲載されていた漫画も好きだ。
漫画家になった割にはさほど作品数は読んでいなくて、一人の作家の一作品だけがやたら好きだったりする。
(あまり作家を追いかけないタイプ)
そしてその「好きな漫画家、作家、作品」は強く自分の漫画に影響を受けている。

先日二つの漫画を買った。


b0013305_1151764.jpg

ながやす巧  「壬生義士伝 2」と

b0013305_1152418.jpg

関谷ひさし「侍っ子」


関谷ひさし先生は「てづかマガジン れお」に載っていた「おはようケン」しか知らないのですが(この作品が雑誌の中で一番好きでした)、この「侍っ子」は関谷先生が晩年(70歳代)、どこに発表することもなく約十年かけて描いたもの。
でも作品は漫画を描く喜びに溢れていて先生が楽しみながら描いたことが伝わって来ます。
1998年頃、偶然小田原の報徳会館で、新年の絵馬展で先生の絵馬を拝見したことがあります。
当時「えっ?まだ漫画を描いていたんだ。」と驚くと同時に、絵馬に描かれた絵が全然衰えていず、じっくり時間をかけて描かれていて、「ああ、関谷先生は本当に漫画を描くのが好きなんだなぁ。」と思ったものです。
その絵馬展はチャリティオークションだったのですが、当時超貧乏だったので、おそるおそる「五千円」と書いて入札しましたが見事落札できませんでした。(笑)
作品は(多分)ケンが宇宙服を来て遊泳しているものでした。(とてもいい表情でかわいらしかった)

そしてこの「侍っ子」の巻末に載っている「関谷ひさしアートギャラリー」では、「おはようケン」のケン、おじいちゃん、犬のクツが2つのイラストに登場していて、先生のお気に入りキャラクターだったんだ、と嬉しくなりました。
そしておじいちゃんが被っている毛糸の帽子と同じものを先生も愛用していたみたいで微笑ましく思いました。
(巻頭に先生のお写真が掲載されています)



そしてながやす巧先生。
先生も今年で62歳になられますが、未だその筆は衰えることなく成長し続けているように見えます。
とにかく絵に対する真摯な姿勢が伝わって来て思わず背筋を伸ばして読んでしまいます。
「愛と誠」の時から抜群の上手さ&カッコ良さでしたが、その時から変わらず漫画に対して真摯に取り組んでいるところに自分も見習わなくては・・・と頭が下がる想いです。(というか恥ずかしいです)
先生の絵の魅力はその上手さももちろんですが、見せ方も抜群にいいし、何よりキャラクターの表情が豊かでいいです。
普通こういう劇画調のリアルな絵だと表情が硬くなりがちなんですが、ながやす先生の場合、漫画チックなんですよね。
悪役もどことなく親しみが持てる表情なのが先生のお人柄の良さを感じさせます。
当時は怖かった砂土谷峻など、今読むと可愛らしく感じます。(笑)

で、この「壬生義士伝」も二巻になってグッと面白くなりました。
それは一巻だとイマイチ主人公のキャラクターが掴めなかったところが、やっとわかり共感できるようになったからだと思います。
そして剣術のシーンは格好よく決まっています!
本当に剣の達人が達人らしく感じられるリアルさ。しびれます。
読者が見たいと思うシーンをちゃんと描いてくれる安心感。(迫力を出し、かつ手抜きをするにはコマを分けて手元だけ描いたり、顔や切られている部分をアップにして描くのが簡単だけど、それだと漫画として切り合いをしていることがダイレクトに伝わって来ないのです。ながやす先生は全身を描きます。もちろん描くのは難しいです。)


ーーーとにかくお二人とも歳は重ねても手抜きにならずに向上心を持ち続け、漫画に対する熱意と愛情を感じられるところに敬服いたします。
そしてそういう漫画家さんを好きだと感じた幼い頃の自分の見る目は間違っていなかった!と嬉しくなったのでした。


ああ、それなのに、一向に満足できる絵が描けないワタシとは一体なんなんだろう・・・・とガッカリするのでありました。はぁ・・・・・・・・・
by mieru1 | 2011-08-20 02:06 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(4)

硬派な女

実家から持ち帰った荷物にあった高校三年生の時受賞した小学館の新人賞の記念写真を次男坊に見せました。

無愛想な息子いわく
「お母さんも人のこと言えないくらい愛想ないじゃん。」

な、なにーーーーっ!?
これでも恥ずかしげに笑っているんだぞ?
ほら、口角がちょっとだけ上がっているじゃないか!

どうやら息子にはワタシの口角がちょこっと上がっているのがわからないらしい。
そういえば高校受験のときに中学でやった面接の予行練習でも先生の評価は「ぶっきらぼう」であった!
我ながら真面目に受け答えできたと満足してたのに他人の目に通すとそのような評価になるんですね。

何故そんな愛想もない娘だったのか・・・・?
思い起こせば幼少時より少年漫画を愛読し、仮面ライダーやウルトラマン等のヒーローに親しんだワタシは
「こういう人になりたい」と憧れる人間像が昔から男であった。
男っぽい性格なのでフェミニンなものは自分に似合わないと自覚していたので益々憧れる女性像というものがなかった。

だからといって自分が男になりきれる訳でもなく、というかあまり男女の差を意識することなく
人間性そのものに憧れる節があった。
そこで自分がその頃憧れていたであろう人間像というのが
「硬派な人」。

自分の意志があって、夢や信念のために辛い事にも耐えて前に進んで行く強い意志と忍耐力。
自分にも他人にも厳しい人間。(本当に大切に思う故の厳しさ)
潔さ。
弱きを助け、強きをくじく人。

ーーーーーーーこんなところか。

大学時代、女友達から「男気のある女だ。」と言われたときは嬉しかったが、それはそういうことだったのか。

そしてワタシが数ある漫画の中でシンパシーを受けた女性キャラクターがこのお方
b0013305_21315620.jpg

「激!極虎一家」の枢斬暗屯子姐さんである!!ド━(゚Д゚)━ ン !!!

何故ヒゲがあるのか謎ですが、見た目はアレだけど実は純情で一途なところとか、筋が通っているところとか
泣き言を言わずに潔いところ等、共感するところが多かったのです。

そしてもう一人、共感する女性キャラがいました。
それは梶原一騎原作「柔道讃歌」の主人公の母・巴輝子。
こちらはもろ「女・星一徹」なので母となった今ではこちらのほうがしっくりしますね。


ーーーー
ああ、そんな母から生まれた息子が本日、高校の行事でする仮装大会に
女装するための衣装を買って来ました・・・・orz

先日「ねぇ、自演乙☆って格闘家って強いの?なんなのあれ?」と話していたところだったのに
まさか息子が自演乙☆になってしまうとは・・・・・(;´д`)トホホ…
(一応衣装はチャイナドレスだそうです。よかったアニメコスプレでなくって・・・・・ってそんなんで安心すな!自分)

息子二人とも男子校ですがホント不思議なのが男子校生に限って?女装をしたがりますね。
長男の母校はその昔、蛮カラで文武両道と謳われていたというのに文化祭ではバカの一つ覚えかというくらい女装をする子のオンパレードでした。
本人達はギャグのつもりなのかもしれませんが、女装願望率の高さに驚きます。(やっぱりメス化が進んでる?)
硬派なのは応援団くらい。
その応援団も今年は保護者(お母様)から「息子の声が枯れたから 校歌応援歌の練習はさせないで!」の苦情が入り
いきなり廃部の危機に立たされているとか・・・・
(あの〜〜〜。男子校ってそんなもんじゃないの?何故共学に進学させなかったの?)

ああっ、硬派な男の子は今何処に!! (もしかしてファン太郎????)
硬派なお母さんは悲しいっ!
by mieru1 | 2009-05-09 22:15 | 雑記 | Trackback | Comments(10)

ゲンダイの腐女子

昨日のワタシのブログを見た旦那が
「おまえ桜壱バーゲンのファンなの?」とのたまう。

ギクギクッ。見ぃ〜たぁ〜なぁ〜〜〜〜〜〜〜。
べ、別にファンっていうわけじゃないんだからね!頑張る漫画家を応援したいだけなんだからね!
 と同時に「だから子供に下品母ちゃん(※ワタシへのお土産がまりもっこり)と言われるんだ!」と責めらるとびくびくしていたら、ここで桜壱先生のレクチャーが始まる。
さすが高校時代、エロ劇画を求めて隣町まで買いに行っていただけのことはある。
エロ漫画(劇画)の歴史と知識がハンパではない。筋金入りである。

やはりワタシが思った通り「どおくまんと山上たつひこ」を足したような作風だそうだ。
ワタシ、どおくまん先生の漫画読んだことないんだけど・・・(青田赤道のクエッ!クエッ!の絵しか知らない)
そして旦那はバーゲン先生の改名以前の単行本を持っているとのこと。そうだったのか。
 べっ、別に読みたくなんかないんだからね!本当に。
っていうか、桜壱バーゲン先生の描く漫画と旦那の漫画の嗜好性と丸っきり被っていませんか?キミィ!

ところでmixiにバーゲン先生のコミュニティがあるという。
そ、そんなメジャーだったんかい???で、ここで旦那から驚愕の真実が語られるのだった。
何とそこに桜壱先生の女性ファンがいるというのだ!
旦那に言わせると「腐女子」と呼ばれる女オタクも今は何でもありで田亀源五郎先生(←何で知っているかというと「映画秘宝」で取り上げられていたから)のファンまでいるんだとか!!ヒエエエエエ~~~~!!
まさかそこまで進化しているとは・・・・

ワタシは物心ついたときから少年漫画ばっかり読んでいたけど、ちっとも「やおい系」と呼ばれる方面に興味は湧かなかったなぁ。
むしろ何で女オタクってそろいもそろってそっちへ転んじゃうんだと不思議でならない。
男同士でじゃれ合っていてもちっとも萌えませんよ。セメとかウケで喜ぶ感覚が自分には無い。むしろ抱き合って涙を流してくれ。
そのうち「さぶ」とかが腐女子に堂々と読まれる時代が来るのだろうか?

今思うと少女漫画に出てくる女みたいな細い男が好きになれなかったから少年漫画を読んでいたのかも。(そういう男の子との恋愛ものばかりというのが良くなかった)
男の子に「美しさ」が入るとそれだけで女性的で弱く感じるから。
やっぱり田亀先生が描くような岩のような人がいいのよね〜〜〜。(オイ)
むしろ不細工なほうが「強さ」を感じられてイイ。
ついでに太い描線が好きだったのも、そこに「力強さ」「男性的」なものを感じるからなんだよね。
ーーーーそういう自分も女オタクなのかなぁ・・・(´Д⊂ク゛スン

しかし、自分が子供時代はまだ女の子が少年漫画を読むにも恥ずかしさがあったというのに随分遠くに来たもんだなぁ・・・・
「少年ジャンプ」なんて今や女の子が読む漫画雑誌だもんねぇ。
しかもほとんどの少年誌が女の子のイラストが表紙だし。
少女漫画誌と変わらないじゃん。これ。

やっぱりワタシが今読む漫画雑誌はビッグコミック系と劇画しか残っていないのか喃・・・

仕方ない。バーゲン先生でも読んでみるか。(嘘)
by mieru1 | 2008-08-28 01:20 | いろんな感想 | Trackback | Comments(0)

同業者に応援メッセージ

ブログで自分の仕事について
学習まんがは
*一般読者の目に触れない
*読者からの反響がない
*収入は原稿料のみ
*単行本化するような仕事ではない
*収入が少ないので全て一人でこなす(アシスタントは使わない)

など、やれ報われないと愚痴をこぼすことがよくありますが
最近こんな思いをしている漫画家はとても多いんだと気づきました。
これもブログが普及したおかげです。

普通思い浮かべる漫画雑誌の他に、レディースコミックやコンビニ漫画など、低く見られがちな漫画雑誌に沢山の漫画家が働いてます。
どの仕事も稿料は安いし、単行本にならないし、読者層も限られているし、反響の手紙だってなさそうです。
でもそういう所で自分のベストを尽して頑張っている漫画家も少なからずいるところに自分もしっかりしなくちゃ、と思わされます。
あるレディコミ作家さんは、少ない稿料でどうしてそこまで頑張れるの?と思うほど仕事に力を入れて体調を崩されたりしていました・・・・
そんなことにもめげずにまた頑張るバイタリティーに敬服します。
しかし出版不況の現在、こういう雑誌は今、次々と休刊を迎え、仕事が減ってしまっているようです。
本当に悲しくなります。

ワタシは描く漫画がどういうジャンルか、ということよりも自分の漫画に一所懸命取り組んでいる人が好きだ。
芯がぶれないというか、こだわりがあるというか信念と言うべきか。
「こんなの仕事だから」と流して描いているような漫画や
「こういうこと描いとけば読者は喜ぶんでしょ。」という漫画のほうが好きではない。
そういう作品には作者の愛が感じられないから。
それは自分が描き手だから余計に感じるのかもしれない。

ワタシの所に以前2回イラストを描いた雑誌から毎月見本誌が届けられる。
R指定のアンダーグラウンドな雑誌だ。
ビニールテープで二カ所封印されている雑誌。手に取るのは初めてです。
ライターさんが取材したネタを基に描いた読み切り漫画が主な雑誌です。
興味本位で毎月読んでいると「この漫画家さんの描くのは面白いな。」とか「自分なりにバカバカしい味付けをしていてこれは笑える!これが漫画の力よ。」と描き手として共感したりすることもあります。
意外と流して描いている人が少ない気がします。

で、そういう漫画家たちは誰に向かって一所懸命仕事してるんだろう?と考える。
この手の漫画は犯罪関係のネタで内容が悲惨なだけに描き手としても辛いはずだ。
しかも知り合いにも気軽に「読んでね。」なんて言えないし。(立ち読みもできず気軽に買えない)
読者から応援レターが来るとは思えない。
でも誌面からは漫画を描くことが好きなんだな、とか、プロとして恥ずかしくないものを作ろうというプライドが垣間見える。
これはもう自己満足としか言えないのかもしれないけれど、読者が見えない状況ではいかに自分が納得できる作品を描くしか残されていないと思う。

自分を含め、いつ仕事がなくなってもおかしくない世界なのにどの人も頑張ってる。
ワタシは同業者として、そして声の届かない漫画を描いている者同士、思わずエールを送りたくなります。

続きを読む
by mieru1 | 2008-08-25 20:21 | 漫画を描くこと | Trackback | Comments(4)

好みが狭いことは不幸か?

よく旦那に言われることでカチンと来る言葉があります。
それは「お前は漫画の好みが狭い」ということ。
なんかそれって「お前の器は小さい」と言われているような気がするんです。

旦那は筋金入りの漫画オタク・・・というよりマニアか。
高校時代はエロ劇画を求めてわざと隣町まで買いに行ったというほどです。(どういう方向性だ)
かくいう私は中高時代は時間のほとんどを部活(運動部)に費やし文化的なものを吸収する時間はすごく少なかった。
今思えば多感な時期、あそこまで部活に時間を割いたのはどうなのよ?と
少々後悔も・・・・
イヤ、日本の未来のためにも部活動のやりすぎは良くありません!
皆が皆アスリートになるんじゃないんだから。
もう少し本を読む時間や自分をみつめる時間を与えましょうよ。

お互い幼児の頃から漫画に親しんで漫画読み歴は結構な長さですが
彼はいろんなジャンルを多数読み
私は手持ちの漫画を繰り返し読むという感じでした。
私の場合、単行本は新刊で買うことしか知らなかったのですが
あちらはかなり早くから古本で買い集めることをしていたようです。
よって所有している漫画の数は膨大です。

で、そういう数多くの漫画を長い間リアルタイムに読んでいるので
ちょっとした漫画ハカセですね。
未だにちょっと話題になった漫画はブックオフへ流れて来るまで待って読んでいます。
で、面白いと思う漫画を私に薦めてくれたりするんですが
私はあんまり素直に読んだりしません。

前にも書いたけど「ファンタジー」「SF」は好きでは無く
設定ありきのものよりも「人間」とか「テーマ」が描いてあるものが好きなので
どうしても設定が理解しやすい現実と地続きなものやスポーツものが好みです。

「いろんなタイプの面白い漫画を(勉強のために)読め」というのもわかるんだけど
何でこういうふうに色んな漫画を読まなくなってしまったのか・・と考えると
どうも「子育て」に絡んでくるんですよね。

子育て中は家事だけでなく
学校や地域、子供の送迎、PTAなど雑多な時間が多くて自分の時間をそれらから差し引くと微々たるもの。
これが年中無休、昼夜問わず。
それを20年近くやってきたわけです。
そして今はそこに「仕事」が入っています。

段々私の生活態度自体が
「無駄な時間はない。
自分が楽しいことを高率良くするためには自分の好きなものを中心にしよう」と
超合理主義になっていきました。

だいたいこの「自分の好きなもの」がわかっていることって幸せだと思うんですよ。
年末、図らずも藤沢周平にハマったのも
藤沢周平の後ろには山本周五郎とかもしかして山本一力とか
無限の本が控えているの?と愉しみの金鉱を掘り当てたような感激というか
衝撃があったからです。
「時代小説」というジャンルに行けば自分好みの小説にかなりの高確率で辿り着くことがわかったのです。
今の日本では希薄になった人の情とか生き方とかモラルとか・・・

つまり少ない時間で効率良く愉しみを味わうことができる!
だから今はそれ以外のジャンルの漫画や本をあえて読もうという気は起こらないんです。
そういうのを読むのはもう少し時間的にゆとりができないとね。
そう!時間的にゆとりがあれば読むんです。多分。

あと、勧められる漫画でピンと来ないな・・・と思った理由が二つ。
一つは読むべき時期をもう逸していると思ったこと。
さすがに少年漫画は読んでいても子供の時のように楽しめない。(古い漫画も含む)
イマドキの漫画では若い漫画家の子供時代の環境や感性と違うから心底共感できない。
私の子供時代はもろアナログの世界でしたから。

イマドキの漫画に関しては今書いたことに繋がるんでしょうが
人間の捉え方がズレることかな?
簡単に例えれば今の若い漫画家がかっこいいと思う人と私がかっこいいと思う人は違うよな〜〜。と
三船敏郎とか高橋英樹がかっこいいな〜〜、なんて思う若い漫画家なんていないでしょ?(笑)
あと、漫画やアニメ、ゲームで人間観察をしてきた弊害か
キャラクターがどうもステレオタイプに感じてしまう。
まぁ、自分の頭がそれだけ硬くなってきた証拠でしょう。
こ、これが歳を取るということか・・・!

だからそういう年代的なセンスの違いから
どうしても効率良く自分が面白いと思える漫画は・・・と考えると
古い漫画か同世代以上の漫画家が描いたものになっちゃうんですよね。
彼等とならワカり合える!と。(爆)
で、SFとか省くと劇画とか尾瀬あきらとかの地味な漫画かな・・・って思っちゃう。
この「地味な漫画」というのは流行とかに関係なくストーリーをしっかり読ませてくれる普遍的なテーマを扱ったものかな。
こうしてどんどん爺カルチャーの世界へ・・・・
いや、成長しているのです。(笑)

ーーーということで
自分の好きなものを繰り返し読むスタイルがワタシ流。
何かの本であった「繰り返し読む本がその人にとっての古典になる」という言葉が
すごく気に入ってます。
読んだ漫画の数は旦那に比べれば本当に少しなんですが
読むべき時期に刷り込むようにして気に入った漫画を読んでいた自分は
別の意味で幸せだったな、と思うのです。
by mieru1 | 2008-01-16 00:12 | いろんな感想 | Trackback | Comments(0)