漫画家の原稿料

すっかり時の人となった雷句誠先生のカラー原稿紛失騒動。
雷句先生のブログ
漫画家と編集者との対立関係に驚く人も多いと思いますが、ワタシはその原稿料の安さにビックリしましたよ!

モノクロ原稿料 1ページ13000円。
カラー原稿 1ページ17000円。


アニメにもなって、小学館は「金色のガッシュ!!」を「第二のコナン」にしたいとの噂も聞いていたのでそんな有望株の人がこの稿料か!って驚きました。
(ちなみにワタシが20年以上前にデビューした時のサンデーでは新人の原稿料が5000円でした。今は1万円くらいだとか。「新人で」ですよ!)

週刊連載はアシスタント代、仕事場の維持費などの回収は単行本の印税だと聞いてはいましたが、まさかこんな第一線で活躍している漫画家さんの原稿料がこれだけ安いとは・・・しかも休みなく働く過酷な週刊連載ですよ?印税がボーナス代わりです。

イラストの仕事だとカラー1点がモノクロ漫画1ページの稿料とほぼ同じくらいなのでは・・・?(大きさ、内容にもよるが)
これが広告がらみだと一桁は違うだろうか。

ワタシも普段から漫画の原稿料が安い安いと嘆いていましたが
週刊連載の、しかも「金のなる木」と見込まれプッシュされた人がこの稿料とは情けなや・・・・(悲しい)
結局コミックスがヒットして印税が入ってくるからこの金額で許されることになっているかもしれないけど、この漫画原稿が全ての商品展開の基になっているんだから大手出版社ならページ3万円くらい出しても平気なんじゃないのか?


だいたい漫画家の原稿料が安いのは、手塚先生や藤子F先生といった大御所が昔のままの原稿料で仕事をしていたから、とも聞きます。
実際「某先生もこの値段でやってくれてます。」という話も聞くし。
(そう言われると使われる立場としては何も言えない・・・)
雷句先生でさえこの稿料だということは未だに漫画の原稿料の相場が低いのも納得してしまいます。
実際今、マイナーな所の原稿料はそれこそページ3000円とか、働けば働くほど貧乏になるワ−キングプアな状況。

アニメーターも過酷な仕事だと聞きますが、どうして絵を描く仕事ってこんなに低くみられているのでしょう・・・・(絵本も含め)
「漫画なんてサラサラっと簡単に描けるんでしょ?」という先入観もある気もします。
以前にも描きましたが「漫画は絵を描くだけでなく総合力が必要」な仕事です。
漫画は落書きを並べているわけではありません。

海外でオタク文化がもてはやされて、村上隆氏の気持ち悪いフィギュアに16億円の値がつくのに漫画がこれなんておかしすぎる!
(あれに関してはワタシは「裸の王様」状態だと思っている。
「この作品のクールさが貴方にはわからないのですか?」って)

そんな有様だから現場の過酷さを知らないお偉いさんが「漫画、アニメ、ゲームは日本が誇る文化だ!」と勘違いしてしまうんでしょう。
そんなに誇れる文化なら現場で働く者の生活向上を頼みますよ!

しかも今回の一件はコンビを組む編集者と漫画家の現場も最悪ですね。
今は編集者が原作者代わりになっている、ということが日の目を見るようになってきましたが、テレビで見た某漫画家と編集者のコンビを見ていたら、ワタシには編集者が漫画家を恫喝して描かせているように映りました。(人によっては感動する創作現場だったみたいですが)
どう見ても漫画家先生は、漫画描くの嫌になってますよね?ーーーって書き手として感じてしまいました。
二人の関係を見ていると朋友とか戦友というよりも犬と調教師、みたいな・・・
(ワタシの勘違いだといいんですが)
まっ、大金が動くプロジェクトだろうから、そういう必死さがあるのもわかりますし。

自分が職業にしている世界のイヤな部分を見て、どうしてこの環境で沢山の読者を楽しませる作品が生まれるのよ?と悲しい気持ちになってしまいます。
by mieru1 | 2008-06-08 00:19 | 貧窮問答歌 | Trackback | Comments(12)
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Commented by おおいわ at 2008-06-08 18:31 x
こんにちわ。

村上隆の件ですが、これにしたって通常の取引だったら16億を手にするのは美術家ではなくてブローカーです。
ブローカーは当の美術家には比較的少ない(といってもある程度の価値は美術年鑑とかで決まっているけど)金額で与え、こうやって美術品を転がしてつりあがった値段のぶんは全部自分たちのものにしています。
村上隆の場合はそのブローカーも自分でやってしまってるので、そのぶん「はしこい」と言えますが。
美術や芸術にしたって、そんなに食えない…ってか、
好きなことをしているので単に「食えない」ならまだしも、それを転がす連中のほうがずっといい暮らしができるようなシステムはなんだかムカつきますなあ。

その話を聞いたら分取り屋程度ですんでる漫画界のほうがまだマシかなとも思いました。

いや、両方いやだな。
Commented by mieru1 at 2008-06-09 23:30
>おおいわさん
日本は「技術」に対していつからこうも軽視するようになったのか、と思いますよ。
何でも「金金、金儲け」が第一で、お金持ちはいかに労せずに大金をつかむか、人からたかるかに走っているように見えます。
「働かざる者食うべからず」が「働かざる者大金を掴む」になって矛盾を感じます。

安い原稿料を提示するところは、貴方だったらこの料金で引き受けますか?と聞きたくなります。
そしてそれはイコールこれから作る本(雑誌)はその程度のレベルしか求めていないんですね・・・と思います。


Commented by こういうことかなぁ at 2008-06-10 23:42 x
「あいつらはほっといたら何も出来ないから俺たちが金にしてやるんだ」
「あいつらは好きでやってるんだから金なんていらないんだ」

好きな事を仕事に出来る人に対するひがみ?
Commented by mieru1 at 2008-06-11 00:29
> こういうことかなぁさん

うう、身も蓋もない言い方・・・・(涙)
特に一行目は忙しい週刊漫画雑誌の編集者は一度は思うことではないでしょうか。
ワタシもたかだか6ページの読み切り漫画を一年間やりましたが、仕事でいっぱいいっぱいになるとアイデアも枯渇して、相方(旦那も漫画家なんで)がいないとできない状態になりました。

今回の一件は、お互いの個性がぶつかって関係が悪くなって、悪循環に入ってしまった気もしますが、漫画で大金が入る世界にいると「漫画家を仕切る」編集者が殿様みたいな気持ちになってしまうかもしれませんね。

あと漫画家さんが若くてまだ精神的に幼いこともあるので余計にそんな気持ちになってしまうのかも。(雷句先生のことじゃないですよ)
Commented by ヒロト at 2008-06-11 04:17 x
後半のところ浦沢さんの番組のことですよね?見た当時からだの故障に耐えながら書いている浦沢さんに感動したものですがよく考えると編集の人にちくちくいわれてましたね…こわ
Commented by mieru1 at 2008-06-11 16:15
>ヒロトさん

わかりましたか。(笑)
番組は長い時間をかけて取材したものを編集するので、たかだか1時間で彼らの全てがわかるわけではありませんが、はたから見てそう感じてしまいました。
何よりも編集者さんの目つきが怖かった〜〜〜〜。
朝青龍が敵を睨みつけるのと意味が違って見えました。

あと気になるのは先生の作品から熱意というか熱さを感じられないところ。
作風といえばそれまでですが、仕事で描いているんだろうな・・・と、これまた想像してしまいました。
Commented by kibayasi at 2008-06-11 19:05 x
某ワイン漫画の方かと思いましたよ
あちらもすごかったなぁ
Commented by mieru1 at 2008-06-11 23:56
>kibayasiさん
そちらの漫画家さんは知らないのですが、多分漫画界ではよくある話なんでしょうね・・・
見なくて良かったかも(汗)。
Commented by 失敬… at 2008-06-18 11:07 x
>作風といえばそれまでですが、仕事で描いているんだろうな・・・

同感。番組見てました。
でも浦沢さんとこの場合、編集者(長崎氏)もフリーで下請けなので、力関係的には彼(長崎氏)も一緒になって小学館から酷使されているかもしれません。その意味で彼らは本当に戦友であるように見えました。
Commented by mieru1 at 2008-06-18 16:45
>失敬さん

絵の描けない人が、自分が思い描くようにイメージを伝えるってことは難しいと思うんです。
まして他人がそれを表現するっていうのは本当に難しいと思います。 
イメージ通りにいかないことが苛立ちに繋がることもあるだろうし、何よりもビッグプロジェクトとしての責任感もあるでしょうから、その重圧感は私のような人間とは天と地ほどの差があると思います。

そういうことに耐えられる人だけが、あのような第一線で頑張っていけるんでしょうね。
端からどんなふうに見えても、やっぱり二人がお互いの力を信頼、協力しているからできることなんだと思います。

ただ、楽しい現場ではなさそうです・・・・(すみません、生意気言って)
Commented by サンデーGX編集者に参りました at 2010-07-05 21:39 x
サンデーGXという雑誌で、連載を頂いていた漫画家です。

根元という担当編集者が付くことになりましたが、本当に最悪でした。
3つ程年下の編集者だったのですが、初めて紹介された時から

「君はどんなのが描きたいのかな?」
「浅野いにおも大分絵がうまくなって来たね」

と、ずーーーいぶん漫画家を見下している人でした。
連載中も、上から目線に加えて言い方が乱暴、そして会話に中身がない。些細なことですぐ怒る人でした。
挙句の果て、ネームも見てくれない、入稿原稿を何度か亡くされる・・・
呆れるにも程がありました。
原稿をなくされた時には、「どっか行っちゃったから、もう一回送っといて?」と、謝る事さえ知らないご様子。

編集長のコネで入ったこともあり、新卒の頃から甘やかされて育てられたのか・・・驚くことばかりの編集者
会社経験がある私にとってみれば、彼の器は学生くらいにしか見えませんでした。

一つ感じるのが
塾の講師とか医者とか、編集者とか、よっぽど社会貢献的な信念がない限りは、若くしてなってはいけない職業なんだと思います。
Commented by mieru1 at 2010-07-06 17:42
>サンデーGX編集者に参りました さん

担当者は漫画家にとって編集部の窓口になる人なので、そこで馬が合う、合わないがハッキリしてしまうと創作意欲に関わってきますよね・・・・・。それが作品、ひいては雑誌のクオリティにも現れるということが想像できないのはプロの編集者として残念ですよね。

一括りにできませんが、本が好き、本を作るのが好きで編集者になった人が少なくなってきているように感じます。大手なら高給取りですしね。社会的意義より安定した収入のほうが大事、みたいな。
まして漫画という部門は昔から低く扱われていたので余計そうなのかもしれません。
 不景気で確実に売れる物を求めるあまり、世の中に訴えたいテーマや売れないけどこれは面白いといえるような作品を提供できる環境でなくなったのも作品の奥行きがなくなって売れなくなるという悪循環になっていますね。

これはどの職業にも言えることですが、さして興味もやる気もないのにその職につくことは周りの人間に悪影響しか与えないので止めてもらいたいですね。
どんな人が担当になってくれるかは努力の仕様がないのが困ったところです。
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