ここを何かの間違いで来てくれたお客さんは
「なんだ、漫画家なのにマニアックなネタがないのね。」とさぞがっかりすることでしょうが、私の好みは昔からマニアックなものはあまりないのですみません。 さて、私が小学生の時、こずかいで必ず買っていたのがこの「ぼくの動物園日記」。 週刊少年ジャンプに連載していましたが、私はコミックス派でした。 当時の子供達に大人気で飼育係という職業が初めて注目されたのではないかと思います。 動物好きな私は何度も読み返し、漫画家ではなく飼育係になろうかとマジに悩みました。 それくらいその気にさせてくれる漫画でした。 毎週読み切り形式のこの漫画、上野動物園の飼育係・西山登志雄(カバ園長)をモデルにしたものですが、実話だけあって(もちろん脚色ありでしょうが)動物の性質など子供にもよくわかり、とても面白かったです。 戦争で餓死させることになった象のトンキー、ワンリーのお話やお客の善意による悲劇、「月曜病」など生き物の生死にまつわる話や、としおの家で飼っている犬のヤスベエ、サムソンなど身近なペットも出てきます。 その他にも初めてまかされる動物とどうやって打ち解けていくかなど、(手なづける、ではない)動物との1対1の付き合い等見どころ満載! 楽しいお話の傍ら泣かせるお話も多く、漫画家の飯森広一先生のお話作りの上手さにほれぼれします。(たかだか20ページの読み切りで泣かせる、感動させるっていうことがいかに凄い力量か!ということをわかってほしいです) 今までも子供向け動物漫画は沢山ありましたが、私の中ではこれが一番です。 なによりも良い所は動物が決して人間の言葉を使わない事。 もちろん飼育している動物が話すわけはないのですが、人間の言葉が通じない、使わないと言う点はあまり他の動物漫画では見ない気がします。たいていは「擬人化」された動物だと思います。 お話を作る上ではその動物が人間の言葉で考えたりするほうがわかりやすいし、小さい子には尚更親しみやすいでしょうが、こういうリアルさって大切だと思う。 (「ジャングル大帝」はおとぎ話だからジャンルは違います) 結局最後に動物と心が通じるのは「言葉」ではなく「気持ち」なんです。 ーーーで、この「ぼくの動物園日記」、こんなに傑作ぞろいなのに、ちっともリスペクトされなくて悔しい〜〜〜!!です。 しかし! なんと100円ショップのダイソーで1、2巻だけ発売中!(もちろん税込みで105円) 「月曜病」は2巻に収録。 その他にも電子書籍では全巻発売していました。 「そういや『バカのやっちゃん』なんて危ない言葉はどうなってるんだ?」と思って読んだら案の定そういう漫画はカットされていました。 多分当時使われていた今では使用禁止な表現がある作品は皆カットされているんでしょうね。 たった一ケ所の言葉のためにいい作品が皆の目に届かないことのほうが損失だと思うのですが・・・ とにかく動物好きな子供も大人にも読みつがれてほしい漫画です。 絵は古いかもしれないけど、お話の力で読ませてくれます。 キャラクターも楽しい人ばかりだし。 (ちなみに昔自分が描いた漫画でキャラクターの登場の仕方やコマのテンポなど、飯森先生の漫画と同じ、ということがありました。 つくづく自分の身に染み付いてるのね〜〜〜。) そういや若き車田正美先生がアシスタントしてます。 「マサミとマミちゃん」のバカップルでよく登場してました。
by mieru1
| 2005-10-04 00:42
| なつかし話
|
Comments(22)
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SAY
at 2005-10-04 02:21
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ダイソーにいったときに確かに、以前読んでいたようなまんががならんでました!
でも、なんとなく表紙がオリジナルじゃない感じがしたんだけど、今度見てみます♪ カバ園長って、東武動物公園の園長になってた人?別人? 良くテレビに出てましたよね、カバ園長の名で・・・。 違ったかな? ”結局最後に動物と心が通じるのは「言葉」ではなく「気持ち」なんです。” そんな気がします、我が家の小太郎見てると。 何かをしたいとき、ちゃんとこっちを見て訴えてますもん。《笑》
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mieru1 at 2005-10-05 00:36
カバ園長、その通りです。
実は私、東部動物公園には行ったことないんです。 小学生の頃はこの漫画に触発されて毎週日曜日上野動物園に一人で通ったんですよ。 大井町から電車で一本、片道30分という距離でしたし、何より子供は入園無料ですからね。一日遊べました。 ーーー昔からケチで行動派だったのね、私。
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SAY
at 2005-10-05 23:23
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読みましたよ!!ダイソーで①刊が置いてあったんで買いました♪
小猿を育てて動物園に就職して・・・やっぱり極める人って違うんですね! らくだのおやじやカバの子、猛獣使いの修行、園長がお年を召されてからよくTVでお見かけしましたが、そんなに根性のある人とは見えない穏かさでちょっと若いお頃の情熱に驚き!! それを読んで、みえるさんは、悩んでいたんですね!! 時々ふと思いますよ、僕も。動物相手の仕事につきたいと。 あれを読むと厳しいのかなって思いますが。 逃がしたペリカンが飛び立った時、その姿を美しいと思ったってエピソードにうんうんと・・・。 しかし、当時の30万って想像すると!!!でも、大らかな対応だったんですね。
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mieru1 at 2005-10-06 11:55
>SAYさん
早速読んでくれたんですね。 ちょっと前の時代の漫画ですが面白いでしょう? カバ園長さんは私はテレビ等でもあまり見たことありませんが当時は沢山西山さんのエッセイが出版されていた気がします。 でも子供だったのでやっぱり漫画の楽しさには勝てませんでした。 小猿はお母さんの毛皮をつかんでミルクを飲む、とか結構へぇ〜〜なネタも多いですよね。 そういうところが知的好奇心もよんで面白いんですよね。 2巻の「月曜病」は考えさせるお話なので是非読んでみてください。 今でもお客の差し出すお菓子などでどこかの動物園のチンパンジーは虫歯で歯がなくなってしまったと聞きます。 SAYさんも動物関係のお仕事につきたかったんですか。 きっと獣医さんの方なんでしょうね。(笑) 私は友達に「飼育係になるには獣医の資格がないとダメらしいよ。」と聞いて挫折しました。(笑)
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SAY
at 2005-10-06 14:52
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2巻ね、置いてなかったんですよ。
今度また見てみます。 西山さんは、当時、僕の大好きなイルカ(歌手の)さんとの仕事が多くて、それで知ってたんです。 動物番組や動物中継と言えば、ムツさんの次に多かったかもしれませんね。 そこで東武動物公園にも行ってみたいなあって思ったんです♪ 動物の仕事、僕も飼育員やショップの店員ですよ!! 獣医は、考えたことなかったなあ。
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mieru1 at 2005-10-07 20:43
>SAYさん
イルカさんと西山さん、お仕事されていたのですか。 知りませんでした。 でもどうしてテレビで見なかったんだろう?不思議です。 獣医さんといえば私は増井光子さんをまっ先に思い出します。 あまり勉強するのが好きではなかったから「何かのお医者さん=勉強」という図式ができていました。
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SAY
at 2005-10-08 03:39
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そうそう、ようは勉強です!
僕は、数学が大の苦手で、文系でしたから。。。
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mieru1 at 2005-10-08 23:39
>SAYさん
やっぱり勉強するって辛いイメージですよね・・・ 好きな事なら興味を持って勉強できるけど学校の勉強って自分の好きな勉強とは違うし、その好きでない教科の中で判断されるから自分ってダメな子なんだ・・・と自信喪失しちゃいますよね。
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SAY
at 2005-10-09 05:37
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そうそう!
だから、社会人で大学生になったとき、はじめて勉強って楽しいんだって思いました♪ 高校の時の数学の教師がね、こんなのもできないのって感じで、すごくやな奴で・・・。 それがきっかけで、もう数学では立ち直れなくなりました。 はははっ!
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mieru1 at 2005-10-10 01:21
>SAYさん
教師が勉強嫌いにさせてどうするっ!て思いますね。 だいたい学校の勉強で皆各教科が嫌いになるんですよね。 音楽なんて「音が苦」ですもんね。ちっとっも「音が楽しい」じゃないし。 楽譜が読めなくたっていいじゃない! 知識より学ぶ楽しさを教えてほしいですね。(それじゃ試験がなりたたないんでしょうけど・・・)
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SAY
at 2005-10-10 03:34
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でも僕は、勉強嫌いって、教える側にも問題大有りって気がしますよ。
僕ね、誉めることより、欠点を上げて頑張りましょうって言う先生がすごく嫌いで、小学校4年までの年より先生がそんな感じ。 変わって、女の先生が逆だった。今は校長してますが。 中学でも、ちょっとした事でも誉めてくれる先生は、とことん伸びたし、後向きな事ばかり言われると萎縮してしまってました。 高校になると、もうついてこられる奴だけで良いみたいなところがあって、高校を爆破したいと本当に悩んだ時期がありました(笑》 尾崎豊みたいでした!! いまでも、お前のここが駄目、そこが駄目ってな事ばかりで、あら捜しして言ってるような人見るとげんなりです。
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SAY
at 2005-10-10 03:50
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そうそう2巻ありました!
月曜病・・・時代が時代だけに、動物園が見世物小屋の豪華施設みたいなところがあったんでしょうかね。 動物園の動物に、外からえさをやるなんて光景は、1度も見たことがありませんよね。 でもそれはさておいても、人間のエゴで死んでしまったキリン。 結局、人間の目線で捕らえた善意なんて物は、動物にとっては命をも脅かすものになりかねない、そんな風に思いました。
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mieru1 at 2005-10-12 21:22
>SAYさん
二巻が購入できて良かった〜〜〜。 まだ在庫があるんですね。それとも増刷されてるのかな? 人間のエゴ、そういえばここのところ連日捨てられるは虫類のニュースがありますね。 発見される動物は氷山の一角、実際はあの何倍もの生き物が捨てられたり逃げたりしているんでしょうね。 「毒蛇所持は『銃刀法違反』と同じように処罰してほしい。」という意見には唸ってしまいます。 こわいよ〜〜〜〜。
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mieru1 at 2005-11-03 20:39
>オヤジマンガ図鑑様 TBありがとうございます。 ーーーというか、以前一度そちらを覗いた記憶があります。 子供時代に読んだ漫画はいい思い出となっています。 飯森先生のような子供向け漫画が淘汰してしまったようで、悲しい限りです。 それ以前に子供が動物を飼うということも当時に比べて少なくなったと思います。 これからも図鑑の充実、頑張ってください。
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こうたろうママ
at 2007-02-09 00:35
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懐かしいです〜こどもに是非読ませたくて検索してみました。飯森先生は活動休止中との事。お元気なんでしょうか?こどもに命の大切さや、人間が一番偉いわけではないとか、口の聞けない(人間の言葉は話さない)動物の気持ちを汲みとれる優しさや想像力とか…この漫画から学んで欲しい。
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mieru1 at 2007-02-12 20:14
>こうたろうママさま
初めまして。 書き込みありがとうございます。 今はダイソーにまだあるか?ですが、ブックオフなどに同じものが流れてきているかもしれませんね。 自分で書いておいてなんですが >>結局最後に動物と心が通じるのは「言葉」ではなく「気持ち」なんです。 この部分、今の私には痛いです。 結局飼育係にならなかったのって、 「動物に噛まれたり蹴られたりするのはイヤ」だったからです。 そこまで動物好きじゃぁなかったわけですね・・・ とにかくこういった命を考えさせる漫画がもっとあるといいですね。
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at 2014-06-15 21:50
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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mieru1 at 2014-06-16 00:57
>鍵コメさん
コメントありがとうございます。「ハモニカやっちゃん」ですね(笑)。 最後はやっちゃんの吹くメチャクチャなメロディに凶暴なお猿が大喜びしてとしおは「無」に接する事が大切なんだ、と悟るんですよね。 もう30年近く前の漫画なのに未だに思い出しては「ぼくの動物園日記」は名作だったな、とじんとします。
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こりー
at 2015-02-08 20:33
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初めまして
うわ~懐かしすぎます。私がはじめて本屋さんに本を注文したのがこの本なんです。 小学校低学年だったような記憶ですが、しかも残念なことに絶版なのかなんななのか分かりませんでしたが、 注文したのに音沙汰なしで、一ヶ月後ぐらいに聞きにいっても、あやふやな感じで手に入りませんでした。 しかし作者の飯森広一さんの「レース鳩アラシ」「アイン」は熟読してました。 検索してみたら、今は電子書籍で全巻読めるみたいですね。 ふと思い出して飯森広一さんを検索したらまたここのサイトに辿りついたので、おもわずコメントしてしまいました。失礼します。 以前は教育マンガに興味があっていろいろ調べていまして、その中でも太田じろうさんの絵が大好きになりました。 こちらで太田さんも紹介されていましたので、興味深く読まさせていただきました。 「ぼくの動物園日記」も「太田じろうさん」もまだ未読ですが、小学生の頃の果たせなかった想いを、遅ればせながらとりもどしてみます。
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mieru1 at 2015-02-09 19:17
>こりーさん
わざわざレスありがとうございます。私は飯森先生はジャンプ時代しか読んでいなくて短編集の3冊も読んでいました。でも子供時代に暗記するくらい読んだ漫画は自分の根っこになっていますね。今でも思い出してしみじみします。そういう漫画に出会えて幸せだったな、と思います。太田じろう先生も学習漫画以前の子供漫画が一番脂がのっていた時期だと思います。検索すると素敵な画像が出て来ると思いますので是非検索してみてください。
はじめまして。
ブログに飯森広一さんを話をちょっと書こうと思い検索して、 みえるさんのブログにたどり着きました。 飯森広一さんのマンガは幼少期の私に多大なる影響を与えました。一番影響されたのは60億のシラミでした。
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mieru1 at 2021-12-08 20:41
さとるさん、初めまして。
未だに飯森先生の愛読者の声が聞けるとは。感激です。 私は主に「動物園日記」と月刊ジャンプに載った短編集数巻だけの愛読者ですが、自分の作品作りに影響を感じています。 「シラミ」「アイン」はSFだったので「レース鳩嵐」を読んでみたかったですね。 ブログを拝読しましたが、私が地球が氷河期になる、で思い出すのが学研の読み物特集号にあったSF短編です。(作品名失念)温暖化で人類は滅びそう、は夢で実は氷河期で主人公は高熱にうなされていた、というオチでした。近年はSFが現実を凌駕しているので怖いです。(笑)
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