それがしオタクにあらず

何か語弊がある物言いですが・・・

昔から「漫画が好き」というと「オタク」というくくりで見られるのがヒジョ−に嫌でした。
「漫画専門店」に入っても「オタクに見られるのではないか?」と物凄く居心地が悪いのです。(眼鏡、ひっつめ頭、化粧っ気無しと三拍子揃っているので尚更)
何がそんなに嫌なのか・・?
「マニア」と言われるなら許せるかな。そもそも「オタク」の定義って何?と考えてみました。

goo辞書で調べてみると
「おたく」=俗に,特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。狭義には,アニメーション・ビデオ-ゲーム・アイドルなどのような,やや虚構性の高い世界観を好む人をさす。「漫画—」
〔多く「オタク」と書く。二人称の「おたく(御宅)」を語源としエッセイストの中森明夫が言い始めたとする説が有力。1980 年代中ごろから用いられるようになった〕

「マニア」=特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。「鉄道—」「切手—」


う〜〜ん、ここには書いていないけど「マニア」はその道を極めようという節があるんではないか?地道にいつまでもいつまでもその趣味の世界を追求していくような。
20年間ずっとそれが好き、となるともう「オタク」とは呼べない気がする。

一方「オタク」はもっと移り気で浮気性。流行を追い掛けるような・・・もっと底が浅いイメージがあります。経験よりも知識が豊富。
あと、排他的、閉鎖的な雰囲気。私はこれが一番苦手かもしれない。
自分達以外の思考を持つ者を排除、受け入れない、ある意味器が小さい。そして興味の幅が狭くいつまでも成長しない。


「セクト化」(少人数で派閥が出来る)するのもオタク気質。
いや、これは「日本人気質」かもしれない。

私は10年くらい前、ジェニーちゃんなどの着せ換え人形の集会に参加したことがあるんです・・・まぁオタクと言われても仕方がないですが。
もちろん知り合いなんていませんよ。同じ趣味の知り合いができればいいなって勇気を出して行ったんです・・・
でもフリータイムになって知ったのは、そういう世界も(ネットも一般的になっていないにもかかわらず)小さな有名グループがいくつもあって、その小さい集団に必ず「カリスマ」さんがいるのです。
5、6人の取り巻きの中で「○○さん、○○さん♡」な世界があちこちに。
悪いけど一人「キモチワルイ・・・」と物凄い居心地の悪さを感じたのです。

それ以後、似たもの同士で「仲良しこよし、いつでも一緒」みたいな付き合い方に嫌悪感を持つようになりました。

集まった時は思いのたけを吐き出して吸収しあい、解散したらまたそれぞれの世界に戻っていくような付き合い方がいい。束縛されない自立した関係。
そういう意味でネットはありがたい。「いつも一緒」でなく自分の気のむくまま遊びに行けるし、メッセージを残すこともできるし。

結局「オタク」的なものの何が嫌だったのかというと、了見の狭さ、幼稚さ、つるみぐせ。そしてその根底には日本人気質が横たわっているんだな、と思いました。
私は気質で言うなら職人気質がいいな。
それってやっぱり「マニア」に近いよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
色々な方からコメントいただき、このままでは気持ちが悪いので私のそれからの考えを書いておきます。(6月20日現在)
特に貴重な御意見をくださいましたnikuoyajiさん、どうもありがとうございました。

あれこれ考えて結局自分が一番イヤだったものは、「小さな閉じた世界で終わっている人達」ということでした。
確かに周りを見渡せばオタク集団に限らず、お母さん集団、女子学生集団と至る所で見られる現象でした。(もちろんそういう中でも独立系の人はいるわけでして)
斉藤孝氏の小学生向けの本「そんな友達ならいなくたっていいじゃないか!」風に言わせてもらうと1+1=1の関係、ということです。
特に私は女だからでしょうか?小さい頃から常に誰かと一緒でなければいけない、女の子はこうでなくてはいけない、という束縛感を感じていたと思います。
それに小さい頃から男の子が好きになるようなものに興味があったので、そのへんでもいつも孤独感を味わっていました。だからこそ集団でいないといけない、他人と違う行動をしてはいけない、みたいな雰囲気に反感があったのだと思います。

小学生高学年の時、必修クラブを選ぶ時、私は迷わず「理科工作クラブ」を選んだんですがそこでは女子一人でした・・・・男の子達は模型のグライダーなんかを作っており、私も同じような模型を買って作ったり、ピンホールカメラを工作用紙で作ってみたりと一人で半年間出ました。孤独だったなぁ・・・・
でも物を作るクラブはこれしかなかったし、次の時は友達を誘って懲りもせず入りました。他の子も一人ではイヤだけど、誘えば入ってくれたんですよね。皆模型工作をそれなりに楽しんでやっていました。

そんなことで、今の当たり前の世界から出てみれば皆の世界も広がるのに・・・とずっと思っていたんでしょうね。それは余計なお世話なのかもしれませんが。

あと、世の中の大多数は今流行りのものに気が行く、ということで、これも別にオタクだからとりたててこう、という訳ではないんですよね。
いつまでも好きな人のほうが珍しいのかもしれません。
こんなところにも自分の少数派?なやっかみが出ていたんだと思います。
それに好きなものを批判されるとすぐに怒る、というのもまだ幼い(若い?)からかもしれませんし・・・・。

以上、あれから考えたあれこれでした。
しつこいようですが、自分の中でもひとまずケリをつけたかったもので。
お目汚しすみませんでした・・・



by mieru1 | 2005-06-08 21:50 | 雑記 | Comments(16)
Commented by SAY at 2005-06-09 00:44 x
僕は、なんだろう。。。
う~ん、色んなものの収集癖、とか過去にはあったけど。
秋葉は、オタクの聖地ですか?
僕は、あそこの雰囲気は、本当に苦手です。
良いんだもんそれで・・みたいな、その世界で生きていくからほっといてみたいな、外部遮断、自らも閉じこもるみたいなところは、どうして良いのかわかりません。
”了見の狭さ、幼稚さ、つるみぐせ”僕の中でも、そんなイメージでしかないので、本当のところはわからないのですが、そうだとしたら苦手かもしれません。
根底は日本人気質か・・・。
なら、少なくとも僕にもあるのかな・・・。
考えてみよう。。。
Commented by げんごろう at 2005-06-09 21:46 x
今回も面白いテーマで書かれていますね。

>結局「オタク」的なものの何が嫌だったのかというと、・・・日本人気質が横たわっているんだな、と思いました。

には、共感。

以前は、「オタク」という言葉に、嫌悪感を抱いておりました。今は、「オタク」でも外に向けて情報発信していれば、それはそれでいいんじゃないかなと思っています。
そういう意味でいえば、こういったオタクは「健康的オタク」かな。

となると、その反対が「不健康的なオタク」

でも、今考えてみると、「オタク」に対するイメージを悪くした諸悪の根源は、宅八郎ではなかったかと、、、、

ちなみに、今や「オタク」は日本が誇る文化になっているなぁ~んて、言っているコメントもありますが、、、
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091113381320.html

私は、‘オタク’‘マニア’といったキーワードに‘サブカル’なる言葉も同じ括りでとららえてしまいます。

最近、サブカルに近しい方と知り合いになりましたので、これらのキーワードで、私のブログに何かしらの記事をかくことができればと思っております。
もちろん、コミカルタッチで・・・・

Commented by mieru1 at 2005-06-09 23:53
>SAYさん
私の一番感じる所はその「閉じた世界」に満足している事なんですよ。まぁ誰に迷惑かけているわけでもないからいいでしょ、ということでしょうが、社会性がないのは困ります。彼等を見てると一人で好きな事して満足で終わっているみたいで。
そういう人も社会の一員で責任もあるんだけど、みたいな。

私の金魚趣味もまだまだで当分マニアになれそうもないです。
SAYさんの趣味は全て繋がっているように思えますよ。
Commented by mieru1 at 2005-06-10 00:00
>げんごろうさん
なんか今日といい、テーマがお硬くなってしまい、不本意ですが面白がっていただけたら本望です。(笑)

「健康的なオタク」ってきっと「ボンクラ」と呼ばれる人達だと思います。ボンクラには私、愛着を感じます。
オタクと呼ばれるよりボンクラのほうがいいな・・・
彼等はそういう自分を「オレってバカなんです」と自虐して言える器の大きさを感じます。

「オタクは日本が誇る文化」なのかはどうなのかわかりませんが、とにかく日本人全体が幼稚になっていると感じてしまいます。
今の日本の文化があまり豊かに感じられないのです。
Commented by げんごろう at 2005-06-10 00:49 x
私の言う「健康的なオタク」とは、情報発信することによって、多くの人に愉しみを提供しているオタクという意味で使ったものです。

例えば、
デジタルとアナログの変な融合アートを目指して活動している「明和電機」
http://www.maywadenki.com/

とか、

これまでの常識を覆すプラネタリウムを自分で設計・製造した‘大平 貴之さん’
http://www.megastar-net.com/

などの人たちでしょうか。

彼らも、内向的にやってしまえば、世間一般で捕らえられてしまうオタクの部類に入ってしまうところを、外に向けて情報発信することによって、多くの人に愉しみを提供し、活躍されている「健康的なオタク」として私は見ております。

彼らをオタクのくくりとして取り上げるのは失礼かもしれませんが、(世の中の多くの人がアーティストやエンジニアとして見ているので)、彼らのようなオタクが増えてくれれば、いいと思います。これなら、「日本が誇るオタク文化」として紹介されても恥ずかしくはないですよ。

Commented by げんごろう at 2005-06-10 00:50 x
>日本人全体が幼稚になっていると感じてしまいます。

うっ、身につまされるお言葉。。。。。

確かに、私は大人になりきれていいないのかも・・・それは、十分自覚しております(笑)

Commented by mieru1 at 2005-06-10 18:22
>げんごろうさん
サイト見てみました。
「明和電機」って商品は見た事あるんですが、パフォーマンスを見ていないので一体どういう可笑しさがあるのか未だ知らないのです。
ただ、プラネタリウムの人も「外へ向かって発信」というのはやはりオタクとは違う気がします。オタクはやはり自分達の小世界で終わってしまっている感じ。
同じ趣味の世界でも、私はいろんな人の意見が聞ける集まりのほうが健全だと思うし、いろんな意見を聞いて更に視野を広げられるような付きあい方がベストだと思うし楽しいと思うのです。

そうすればより自分の世界が広がって楽しいと思うし、その結果「こんなに面白い事考えたんだけど皆見てくれる?」という外に発信したくなるのかもしれません。

愉しみは皆と共用したい、というのがげんごろうさんのいう「明るいオタク」なんだと思いました。

>日本人全体が幼稚・・・

大人になっても子供の部分を持っているのはとても大切だと思っています。そういう部分が堅苦しい世の中を明るくしてくれると思いますし。ただ「責任感」という部分では幼稚になってしまったのでは?と思うのでした。
Commented at 2005-06-10 20:37
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 春巻アンドリュー at 2005-06-10 20:56 x
毎回面白く読ませて頂いております。
私自身は「オタク」をあまり否定的には考えておりませんが、どちらかというと「マニア」のほうが、社会的な責任をきちんと自覚した上で、好きなものにのめりこんでいる一団で、どこかその店フラついているのが「オタク」という印象を受けています。
つまるところ「マニア」のほうが骨太で打たれ強い。
ちなみに私自身は、閉じた雰囲気で馴れ合っているのは嫌ですが、自分のことを発信したり理解を求める気が殆どないので、やはり「オタク」に属するのかも知れません。いえ、「オタク」よか閉じているのではないかと。
Commented by 春巻アンドリュー at 2005-06-10 20:57 x
申し訳ありません!
「その店」ではなく「その点」でした…推敲はきちんとせねば(反省)。
Commented by mieru1 at 2005-06-10 22:33
>nikuoyajiさん
御意見ありがとうございます。
もちろんこの日記は個人的なものでして、決めつけているわけではなく、「私が思ったこと」です。
でもそういうふうに読み取られてしまうというのは、きっと私が潜在的に決めつけているのでしょう。
確かに軽卒ととられてもしかたありません。

ただ、私も長い間漫画ファンをやっていますが、
例えば「○×先生の悪口を言う人は許せない!」みたいなイエスマンしか許さないという雰囲気はよく見かけるのは確かです。
人のとらえ方は十人十色なので、いろんな感想があって当然だと思うし、イエスマンばかりが取り巻く環境は不健全と言うか、結局はその漫画をダメにしてしまう気がして残念に思うことがしばしばあったのです。

Commented by mieru1 at 2005-06-10 22:34
続きです

もちろん「オタク」として一括りにしてしまうのは危険だと思います。決めつけているつもりではないけど、今までの経験上、そう思わざるを得ない事も多々あったので、そういう書き方になってしまったのだと思います。
以後表現の仕方には注意したいと思います。

nikuoyajiさんのような感想を持たれるのも当然と思いますし、また私はそういう意見が聞けた方が自分では気付かなかった事に目をむけられるのでありがたいです。
以後表現の仕方には気を付けたいと思います。
Commented by mieru1 at 2005-06-10 22:42
>春巻アンドリューさん
こんばんは。
>>ちなみに私自身は、閉じた雰囲気で馴れ合っているのは嫌ですが、自分のことを発信したり理解を求める気が殆どないので、やはり「オタク」に属するのかも知れません。いえ、「オタク」よか閉じているのではないかと。

最初の一行、ここです。
多分自分はそういう性分でないからこういう書き方になったんだと思うんです。それはやはり日本人的なものなのかもしれません。
お母さん集団しかり、女子学生しかり。

結局、その閉じた世界を出れば、もっと自分の世界が広がるのにもったいないよ!ということです。
色んな意見や知識を吸収したほうがより楽しいと思うんだけどな・・・

>>自分のことを発信したり理解を求める気が殆どないので
これは自分だけの密かな楽しみ、ということでいいのではないでしょうか?私もそういう所沢山ありますよ。
Commented at 2005-06-11 21:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mieru1 at 2005-06-12 10:39
>nikuoyajiさん
レス、ありがとうございます!
言いにくい事を書いていただき、私も勉強になりました。
今回このような発言になったのも、11日付けの日記にもあるようにゲーム仲間集団が批判している人を皆でよってたかってバカにしてそれこそ「君たちは何様なの???」と怒りを覚えたからです。
子供とゲームの関係って何故か教育現場から聞こえてこないんですよね。客観的に見て本当はどういう影響があるのか、と。

先入観や印象で決めつけて判断するのは危険な事ですが、そういう自分達の世界を批判する人をバッシングする反応ばかり見かけると「やっぱり・・・」と思ってしまうのも確かですし、良心派?のオタクの首を絞める事になるのに彼等は気が付いていないんですよね・・・

Commented by mieru1 at 2005-06-12 10:39
>続きです
>>相手を見下したり、否定したりしても、何も進歩しません。
相手を認め、そこに何があるのかを探すことが、自らを進歩させる道だと思っています。

う〜〜ん、とても重い言葉ですね。私もなるべく相手を理解しようと思うのですが中々相容れない部分もあります。でも大切な事ですよね。自戒します。

>>私は、自分達のお客さん達を、そう言う人の気がしれません。

自分の言っている事と反するようですが、私は何故か個人のオタクさんについてはあまり嫌悪感はありません。多分集団になった時に先のような閉息感を感じ取るからでしょう。趣味の世界は人それぞれだし、そういう事にまで干渉するのはいけない事だと思います。
ある漫画家の大先生が「同人誌活動をしているオタク」を否定発言した時は私も不快感がありました。そういうお客さんがあってこそ貴方は儲かったでしょうに何を言っているんだか。と。

でも読者の事を思って編集者とケンカしてしまうnikuoyajiさんに良心的なプロ魂を見てしまいました。
私も意見のやり取りはよくしますが、やっぱり「仕事が人質」みたいなところがあって、ケンカに至るところまではいかないです・・・
名前
URL
削除用パスワード
<< 子供とゲームについて 原稿料も 価格破壊 >>