今、来週小学校で卒業を控えた6年生にむけ、最後に読む本を選んでいます。
今年度は斉藤孝の「ガツンと一発!」シリーズを3冊分読んで、いつものような物語りオンリーというわけではなかったけど、けっこう子供達にはぐっとくるものがあったようだ。 で、最後は新たなる旅立ちに向けて贈る言葉みたいな、メッセージ色のあるものを読もうかと思い、10年以上前に読んだ 芸術家・岡本太郎氏の「自分の中に毒を持て」を読んでいる。 昭和63年に発行されたというのに、そのメッセージは今読んでもまったく色褪せることはない。 当時も読んでいて面白いな、と思ったけど、今回もまた岡本先生に叱責されているように感じた。 何度も出てくる言葉に 「自分はダメな人間なんだ、大したことのない人間なんだ、とありのままの自分を認めよう。」 「そういう自分を認め、他人の目を恐れず、無条件に生きてみよう。」 「人は自分が好きで大事にしすぎているからいろいろ思い悩む。 本当はたいしたことのない、ちっぽけな存在のくせに自惚れたり落ち込んだりしている。バカなことだ。」 ーーーーう〜〜ん、自分のことだ。 本当にたいしたことないくせに、いろいろグタグタ悩んで前に踏み出さない。 「自己嫌悪なんてもので自分を甘やかさないでもっと自分と闘ってみよ。」 「行きづまったらそれを突破してやると挑むんだ」 あれ〜〜〜。 子供に読むにはちと離れ過ぎか。 「己と闘う人生」。まるで梶原一騎のマンガだ。いいわぁ岡本先生。 でも、私が子供達に言いたいのは「他人の目ばかり気にせずに、自分というものを持とう!」ということ。 斉藤氏の「そんな友達ならいなくてもいいじゃないか」という本を一学期にも読んだ。 どうも私は自分がこういう職業のせいか、子供達に「人に流されずに生きてこう!」ということを伝えたいようだ。 だって、本当に日本の学校は人間を無個性に、規格品みたいにしようとしているんだもん。 日本はこうやって人と違うことをする人を作り出さないようにしているんじゃないかな? たとえば。皆と違う色のランドセルを選ぶ。 ただそれだけで「イジメの対象になるんじゃないか」、と恐れる。 どうかしてるよ。 何で男の色が青、黒で女の色が赤、ピンクなんだ? 私はお古で黒いランドセルをしょっている女友達を羨ましく感じたけどな。 ヒーローは赤を着ているよ?(目立つからだけど) まぁ、とにかく子供達にいいと思う章をこれから選ぼうと思うけど、 今回は自分の漫画家としての有り様を岡本氏に背中をバンバン叩かれている気になりました。 ブログにしても、自分のは他の人に比べてええかっこしいのところがある。 「ええかっこしいしたところで、自分なんか大したことないじゃん?」という悟りがまだ甘かったようだ。 そうだよ私、シンパシーを受けるようなブログや文章って、「オレってバカだぜ〜〜。」と言えるような人達だったじゃないか。(そういう人を自分は密かに「ヒホーくん」と呼んでいる・・・「ヒホーくん」=映画秘宝を愛読するような自称・ダメ人間) 「女らしくない」コンプレックスがどうも自分を飾ってしまうようだ。 だって少しでもそうしないとホント救いようがないからさぁ。 そうだよ、人目を気にしているのは自分じゃないか! ということに気付かせてくれたこの本に感謝。 子供達に伝えたい以上に、自分がそうありたいから読みたかったんだろうな。 「自分の中に毒を持て、自分の中に毒を持て。 いつも心に岡本太郎」 ムフ〜〜〜ッ!
by mieru1
| 2005-03-06 22:18
| 雑記
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Comments(4)
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mieru1 at 2005-03-12 17:12
>>占い日記さま
TBありがとうございました。 私もこの本で検索をかけてみたところ、意外や多くの方が読んで感想を書いていることに驚きました。 20年近く前の本なのに、いまだに多くの人に愛読されているんだと知り、心強く思いました。 私の心の一冊になりそうです。
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はじめましてたぬこです。私も最近岡本太郎&岡本敏子著の本にどっぷりはまった3人の子どもがいる母親です。人間として大事な事を教えてくれた大切な本です。強く生きる言葉などは子どもにもわかりやすいとおもいます。でも、いくら口で言っても子どもはすぐ見抜きます。言葉じゃなく行動をとてもシビアに見ていますもん・・。私も子育ての過程で個性をなくすような行動発言をしてきました。でも今これからは自分にも正直になって出来ることは自分はこんな人間なんだとみせることぐらいしかできないんじゃないかと思います。母親たって人間です。ばかです。岡本かの子の事が書かれてる瀬戸内寂聴著のかの子繚乱(違ったかも!)も面白いですよ~。昨日は音程はずれるのも平気でカラオケで熱唱?したらそれまでぼそぼそ歌ってた娘たちも最後はのりのりでふりつきで踊って歌いました~。
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mieru1 at 2005-05-06 01:13
>たぬこさん、こちらこそ初めまして。
私も久しぶりに読んで、新たに岡本太郎氏に興味がわきました。 芸術論よりも、身近なエッセイなんかが読んでみたいんですけど、「かの子撩乱」も面白そうですね! 太郎氏を柱にくくりつけて執筆作業をしていたくだりなんかもあるんでしょうね。 芸術一家に育った個性的な子供ですよね。 ある本に父である一平氏のデスマスクを冷静にスケッチしている写真がありました。それだけでこの人に大いに興味をそそられます。 >>今これからは自分にも正直になって出来ることは自分はこんな人間なんだとみせることぐらいしかできないんじゃないかと思います。 私もありのままの母をさらけ出していますよ。その方が楽です。(笑) 親だって失敗はするしそんなに立派な人間でもないし。「大人ってこの程度なんだ。」ってことを子供が知るというのは大切だと思いますよ。 私は子供に対して悪い事をしたと思ったら「ごめんね。」って言いますが信頼関係が生まれる気がします。 「格好悪い自分」を子供に出せるたぬこさんはいいお母さんですね。そんなお母さんのほうが子供達も安心すると思うし、自然とニコニコ顔になりますよ。共にバカになりましょう。(笑)
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megellanica at 2005-06-02 14:07
TB有難うございます、すっかりご無沙汰で・・・
子供の頃、「人は人、自分は自分」と親にもよく言われましたが、上みても、下見ても、きりがないですからね。 自分もまだまだ何かにつけ「未熟」なんで、「これから」が楽しいです。
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